2009年にアーユルベーダクリニックとして始まった「AMDAピースクリニック」が、2014年10月より、「母と子のクリニック」として再スタートを切りました。
今回、2015年2月10日から3月3日の約3週間、AMDA看護師がブッダガヤを訪問し、現地の看護師と一緒に活動したので報告します。
ブッダが覚りを開き仏教の聖地として知られ、世界中から観光客が訪れるブッダガヤのマスティプール(Mastipur)、ピパルパティ(Piparpati)という地域でAMDAピースクリニックは活動しています。
観光地から一歩入ると、至る所ゴミだらけ、悪臭を発するドブ川、牛・山羊・野豚・鶏・鴨などの家畜が我が物顔で徘徊し寝そべり、それらの排泄物が散乱しています。動物ばかりではありません。人間も屋外で排泄する習慣があり、子供たちは、そんな不衛生な環境の中、裸足で下半身裸のまま遊んでいます。
また、女性の社会的地位が低く、教育を受けていない人の多いこの地では、まだまだ、出産まで一度も医師を受診せず、自宅で出産をする女性がほとんどです。日頃からバランスのとれた食事を十分に摂取できていない女性たちは、慢性的に貧血状態であり、出産は本当に彼女たちの身体に負担を掛けます。小さく生まれ、不衛生な環境で生き延びていくことができない子供達もいます。
AMDAピースクリニックでは、現地の看護師がコミュニティの妊婦や出産後の母親、乳児などのいる家庭を訪問し保健指導をし、クリニックでは、妊婦検診や乳児健診を行っています。
活動開始当初は、なかなかその地域の方達に受け入れてもらえず大変なこともありましたが、現在は30人程の母親たちの健康管理をしております。
AMDA看護師も、現地看護師やアシスタントと共に、毎日、コミュニティに足を運び、妊婦の体調や乳児の様子を観察し、衛生面や栄養面などについてアドバイスをしました。さらに、現地看護師たちと相談し、妊婦や乳児の必要な観察項目や記録について見直し、改善しました。
今後は、コミュニティでの保健教育活動などにも力を入れ、母親たち、子供たちの健康に少しでも貢献していけたらと考えています。