2014年12月末に東南アジアで発生した低気圧の影響により、広い地域で洪水・土砂災害が発生し、複数の国にまたがり甚大な被害が報告された。AMDAは現地の状況を鑑み、被災地の協力機関と連携を取りながらマレーシア、フィリピンの2カ国で緊急支援活動を行った。8日から実施しているフィリピンでの活動の様子を紹介する。
1月8日にフィリピン・タクロバン市(Tacloban)に到着したAMDA医療チームは、現地の協力団体・レイテ医師会と合流。被害状況や活動予定についてのミーティングを行い、翌9日には、医薬品や支援物資の購入、パッキングなど支援活動の準備を行った。
1月10日、被害が大きく、支援があまり届いていないタクロバン市アピトン地区(Apitong)で、無料巡回診療を実施した。活動に参加したのはAMDA医療チームのほか、レイテ医師会の医師12人、研修医、薬剤師。朝8:00の診療開始と共に、小児患者94人を含む416人を診察し、必要な薬を処方した。主な疾患は、発熱や咳などを伴う上気道感染症や皮膚炎。その他にも、高血圧や糖尿病などの生活習慣病も多く見られた。
また、巡回診療と同時に、食料支援も実施。米2キロ、缶詰2ケを1セットとし、同地区の500世帯に提供することができた。物資を受け取った被災者は、食料品の支援は非常に助かると嬉しそうに持ち帰っていた。また、多くの被災者の方がお礼の言葉を伝えようと、何度もAMDAスタッフのもとを訪れた。
協働したレイテ医師会の医師らからAMDAに対して、今回の活動に対する感謝とともに、2013年の台風30号から支援を続けていることに対して、感謝の言葉を頂いた。今後もAMDAは、レイテ医師会と連絡を取りながら、状況を注視していく。
なお、この台風によるフィリピン国内の被災者は、124,305世帯/578,5495名で、そのうち死者66名、負傷者43名、行方不明者6名、被災家屋は全半壊を含め3,297軒と報告されている。(フィリピン国家災害対策管理本部:2015年1月10日発表)
AMDAでは、フィリピン30号により倒壊したレイテ医師会館を、現地の健康促進事業と災害時の緊急支援拠点として、日本医師会、福山市医師会、AMDAの三者合同で再建支援を実施している。幸いにも今回の台風による被害は殆どなかったため、順調にいくと3月末から4月には完成を迎える予定である。
【派遣者プロフィール】
■柴田 幸江(しばた さちえ)
看護師/兵庫県在住/AMDA ERネットワーク看護師
■大政 朋子(おおまさ ともこ)
GPSPクアラルンプール事務所長/調整員/兵庫県出身
活動報告会のお知らせ
医療チームの帰国に伴い、「東南アジア洪水被災者に対する緊急医療支援活動」に関する報告会を開きます。マレーシア、フィリピン両国での支援活動についての報告となります。
席に限りがございますのでご来場の場合は、事前にご連絡ください。
- 日時 1月16日(金) 15時30分 ~ (30分程度)
- 会場 AMDA本部事務所(北区伊福町3-31-1)1F
- 報告者 柴田幸江、大政朋子
【皆様からの募金を受け付けております】
●郵便振替:口座番号01250-2-40709
口座名「特定非営利活動法人アムダ」
●楽天銀行:ロック支店 店番202 普通預金7002547
口座名「特定非営利活動法人アムダ」
●銀行振り込み:中国銀行(銀行コード168) 一宮支店(店番188)
普通口座1347410 口座名「特定非営利活動法人アムダ」
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