ミャンマーシャン州暴動 メティラ郡暴動被災者に対する緊急支援活動4 – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

ミャンマーシャン州暴動 メティラ郡暴動被災者に対する緊急支援活動4

3月20日にミャンマー中部メティラ郡(メィティラ・Meiktila)メティラ市内で発生した暴動の被災者のための避難所において、AMDAが緊急支援として行っていた簡易トイレ30基の建設がすべて完了した。これにより、計3,389名の被災者が避難する3ヶ所において適切な衛生施設が必要数確保され、感染症の発生予防や衛生環境の改善が図られた。

AMDAは、本暴動に対する緊急支援活動としてこれまでに、3月28日、被災者の治療にあたる市内の中核病院に対して、迅速に医薬品の提供を行った。その後、避難所での感染症対策、衛生状況の改善、避難者の尊厳の確保なども考慮して、トイレを設置する支援を決定し、4月8日着工に至った。


スタジアム敷地内に建てられた仮設キャンプ

AMDAスタッフ、建設業者、住民が協働で建設にあたる(高等学校)

4月12日には予定していた、メティラスタジアム避難所16基(避難者数1561人)、メティラ高等学校避難所8基(避難者数1353人)、メティラ小学校避難所6基(避難者数475人)の全30基が完成した。設置した簡易トイレは、通気管を備えており、臭いを逃がすと同時に、ハエの発生を防ぎ、衛生的な状態を保つことが可能である。また、これらは各避難所の管理委員会に譲渡され、今後、適切に管理される予定である。


完成したトイレの外観(スタジアム)

水を流すためのバケツ

避難所の人々からは、「これまでは長い列を作って順番を待たないといけなかったが、トイレの数が増えたのでそんな心配もなくなった。少しずつ避難所の環境が改善されて、嬉しい。」と声をかけられ、小学校のキャンプ管理委員会委員長からは、「作りが不十分ですぐに不衛生になってしまったトイレもある中、臭いが出ないデザインで建設されているアムダのトイレにとても満足している。」と感謝の言葉を頂いた。


避難者はそれぞれ、外で煮炊きを行う(小学校)

避難所の様子(小学校)

本暴動で大きな被害を受けた、メティラ市内中心部は、現在、暴動前の状況に治安は戻りつつある。住居が無事であった被災者たちは、徐々に自宅に戻り、日常を取り戻しつつあるものの、暴動により被災した約1600棟の家屋復旧には、手が付けられていない状態で1か月以上がたった現在も再建工事などは始まっていない。避難所では、管理委員会なども設置され、秩序を保ったコミュニティーとして運営され始めており、避難所生活は長期化するものとみられている。

死者44名、負傷者61名、被害家屋1,594棟、被災者12,000名。(4月9日ミャンマー政府発表)

現在も引き続き、AMDA社会開発機構の2名がヤンゴンに駐在しており、復興状況については注視し、さらなる支援の可能性について検討していく。

■AMDAグループからの支援参加スタッフ
江橋 裕人(えばし ひろと)/AMDAミャンマー事務所 駐在/事業統括
鈴木 梓(すずき あずさ)/AMDAミャンマー事務所 駐在/業務調整員

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