4月8日、ミャンマー中部のメティラ郡(メィティラ・Meiktila)メティラ市内の避難所で不足するトイレ数の問題に対処すべく、簡易トイレの設置に着工した。
AMDAは今回の暴動被災者支援として、これまでに被災地の医療機関への医薬品の提供を行った。現在は被災者に対して、行政からの支援があり、医薬品、食料品などのニーズは満たされている模様である。しかしながら、多くの避難者が詰めかける避難所で、避難者数に対してトイレの数が圧倒的に不足していることから、感染症対策、避難者の尊厳の確保なども考慮して、トイレを設置する支援を決定し、着工に至った。
作業場で組み立てたトイレを運搬 | トイレ穴 |
今後、メティラ市内3ヶ所の避難所(スタジアム、高等学校、小学校)において計30基の設置を予定しており、9日時点で、16基の設置を完了している。1,561人が避難している避難所には、設置基準(※)である78基を大きく下回る34基(45人に1基)のトイレしかなかったため、新たに設置が必要な44基のうち16基をアムダが支援し設置することとなった。設置する簡易トイレは、通気管を備えたハエ防止型のもので、排水用パイプ通じトイレ穴にし尿が溜まる仕組みになっている。
トイレ穴に竹製のシートとビニールをかぶせる | 通気用のパイプを設置する |
これまで、少ないトイレの前には常に数十人が列をなしており、適時に利用できなかった人が野外に排泄せざるを得ない不衛生な状況が発生していたが、新たに必要数を設置したことにより、感染症の発生予防や衛生環境の改善につながることが期待できる。引き続き、残り2ヶ所の避難所での建設を行っていく。
土をかぶせトイレ穴を覆う | 完成したトイレ内部 |
近隣の郡を含め、メティラ郡では、いまだに夜間外出禁止令が出されている。暴動自体は既に治まっており、住民の生活は通常に戻りつつある。しかしながら、暴動によって多くの家屋被害があり、長期に渡る避難所生活を余儀なくされる住民も少なくない。この暴動による被害状況は、死亡者数44名、負傷者数61名、被害家屋1,594棟、被災者12,000名(4月9日付ミャンマー政府発表)。
※人道援助を行う際の最低基準を定める「スフィア、人道憲章と人道対応に関する最低基準」による
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