インドネシア・メラピ火山噴火被災地における第3回フォローアップ活動を報告します。
2010年11月に発生した、ジャワ島中部メラピ山の大噴火により、近郊のボヨラリ県トロガレレ村に住む人びとは、3か月の避難生活を余儀なくされた。トロガレレ村では、冷えた溶岩によって村の農業用水路や灌漑施設が壊れてしまったにも関わらず、1年半経っても放置されていた。AMDAは村の要請を受けて、村の用水路や灌漑施設の復旧工事を支援することにした。
AMDAは、地元協力団体YKPスラカルタと連携し、工事に必要な機材(水道管165本、セメント15袋、ワイヤー100m、工事一式、ペンキ2缶、レインコート2着)を調達した。これらの機材は、2012年5月5日に、YKPスラカルタから、トロガレレ村に贈呈され、村民たちが農業用水路と灌漑施設の復旧復興作業にとりかかった。
まず、住民たちは、トロガレレ村に住む26家族120人へ農業用水が行き渡るように、水源付近に貯水池を作った。次に、貯水タンクを塗装したり、被損した水道管を新しい水道管に交換したり、川の上にワイヤーで水道管を吊るし、貯水池から家や農園へ水道管をつなげる作業をした。
復旧工事は無事終了し、最後にトロガレレ村の住民を代表して、村長であり緊急災害チーム長であるスシロ・ハスツチ氏が、「失われた水が戻ってきた」と発言し、灌漑施設の復旧工事に物資を提供したAMDAに感謝の意を示した。
AMDAは2010年11月のメラピ火山噴火の直後に日本から医療チームを送り、麓に避難所で巡回診療を行い、毛布や食料などの支援物資を配布した。その後、フォローアップ活動として、2011年5月にマゲラン県ダクン区バンジュドノ村で「フードフォーワーク(注)」プロジェクト、2012年2~3月にボヨラリ県セロ郡クラカー村で水路復旧プロジェクトを行っている。
(注)溶岩や火山灰を撤去する清掃ボランティアに参加した住民に食料を提供した。