インド・ビハール州ブッダガヤにあるAMDAピースクリニック*の元職員であるヴェーダ氏はブッダガヤ郊外のシュリプール村で「お年寄りの家」を運営しています。AMDAは、その「お年寄りの家」に井戸建設や食糧などの支援を継続的行っています。
インドは、家族がお年寄りの方や障害ある家族の世話をすることになっており、日本のように老人ホームや施設があまり普及していません。しかし、貧富の格差が激しいため身寄りのない方や経済的に貧しくて面倒みてもらえないお年寄り、障害者は路上やお寺で物貰いとして生活せざるを得ない状況が少なくありません。貧しくて身寄りの無い方々が無料で安心して生活できるようにヴェーダ氏が「お年寄りの家」を設立し、個人や組織からの寄付金で施設の運営をしています。ヴェーダ氏の施設のことは口コミで広まっていて地元の警察署や大学病院などから身寄りのないお年寄りがいるとヴェーダ氏に連絡が入ります。その連絡を受けると、彼女はその方たちをオートリキシャー(地元住民の足として使用されている三輪バイク)で迎えに行き、「お年寄りの家」に連れて帰りお世話をしています。この施設にいる方々には寝るところ、3度の食事以外、医療費など、日常生活全般を支え、亡くなった時には、お葬式も行っています。
ヴェーダ氏から、コロナ禍による大幅な寄付金減少により「お年寄りの家」の運営が困難になったと、AMDA本部に支援要請がありました。AMDAはこれに応え、2022年の1月から6月まで6か月間の運営費を支援することにしました。ヴェーダ氏から「AMDAからの支援金のおかげで、お年寄りに定期的な食事、生活用品や医薬品を提供することができました。ご支援をくださったAMDAの関係者の方々に心より感謝申し上げます。また、インドでは新型コロナウイルス感染拡大対策は少しずつ緩和されてきたため、ブッダガヤを訪れる観光客も増えつつありますので、当施設に支援していただく方々も増えると思います。これからも施設の方々が快適に過ごせるように頑張っていきたいと思います。」と語りました。
利用者からの声:
- 「住む場所ができてうれしいです。」
- 「支援者の皆さんに感謝をしたいです。」
- 「家族がいないため路上で生活をしていましたが、この施設に拾われて安心して生活ができていることとても嬉しく思います。皆様に敬意を表したいです。」