インド担当:岩尾 智子
新型コロナウイルス感染症の拡大が始まって以来、ビハール州ブッダガヤでも失業者が急増し、食糧の価格高騰もあり、特に農地を持たない人は食糧を手に入れるのも困難な生活が1年以上続いています。
「コロナ禍でお母さんたちへの食糧支援を継続しているのは素晴らしい。ただ、ヘモグロビン値が低いなど栄養不足の妊産婦がコロナ禍以前に比べて増加している。結果、リスクの高い出産になり、未熟児など虚弱な赤ちゃんの出生も増えている。」とインド・ブッダガヤにあるAMDAピースクリニック(APC)で妊産婦健診を担当する地元医師から報告がありました。APCでは経済的理由から注射用鉄剤の治療を受けられない妊婦には治療費を支援し、処方があった妊婦には栄養補助剤を提供しています。
加えて、9月からは食糧支援の回数を月1回から2回に増やし、お母さんが元気な赤ちゃんを出産できるよう応援しています。9月7日と28日に行った食糧支援では、のべ120の妊産婦世帯に日常的によく使うジャガイモ、玉ねぎ、レンズ豆、塩、調理油を配布しました。政府からの援助を受けられていない世帯には追加で、主食に使用する小麦またはお米を手渡しました。
食糧を受け取った妊産婦は「インドのお祭りの1つが9月に始まったことで、ブッダガヤ周辺地域にインド国内から人が集まってきています。オートリキシャーなどの運転手、宗教的な物を扱う商売をしている地元の人たちは数週間、生活の糧を得られます。インドでは第3波を心配している人もいますが今のところ状況は良いと思います。AMDAの長期的な食糧支援は本当に助かっています。早く普段の生活に戻れることを願っています。」と話しました。