先月、AMDAの菅波茂理事長が世界各地の関係各所に対してコロナ禍における連携を呼び掛けたところ、インド・ビハール州を拠点とする現地NGO『ジアナミタブ』より、貧困層を対象とした物資配付への支援要請がありました。
インドで最も貧しいとされるビハール州では、新型コロナウィルスの再燃により、貧困層の生活が困窮を極めています。近年AMDAと活動を共にしてきたジアナミタブは、仏教の聖地ブッダガヤにおいて、経済的な理由から学校に通えない子供達を受け入れる無料の寄宿舎学校を運営しています。
「貧しい村々に暮らす数百世帯に食料品等一式を提供する」というこの提案に対し、AMDAは、現地活動母体である日本インド友好医療センター信託財団とともに、早急に財的支援を決定。その後、ジアナミタブは7月24日に寄宿舎学校の中庭を利用して物資支援を行い、会場に集まった多くの人々に対し学校の職員と生徒総出で対応しました。
支援物資には、米、豆類、小麦粉、調理油、ジャガイモ、大豆、塩、胡椒などの食料品のほか、石鹸や消毒液が含まれています。これら一式を大袋に詰め、物資を引き取りに訪れた人々に手渡しました。今回の活動は現地で大きく報じられ、地域の人々にAMDAの存在を広く知ってもらう機会となったようです。
ヴィクラム事務局長は、「観光が主な収入源であるブッダガヤにおいて、この二年間、客足は途絶えたまま。仕事を失った貧しい人々は、日々の食事もままならない状態が続いている」とした上で、「日本の支援者の皆さんのご協力に心から感謝を申し上げたい。現地の声をすくい上げ、ニーズの把握に努めるとともに、今後とも継続的なご支援を賜りたい」と謝意を述べました。
ジアナミタブは、その後、7月28日にもブッダガヤから30キロほど離れた村落で物資支援活動を実施。ヴィクラム事務局長によれば、「今後も状況を注視しながら、出来る限り多くの村を支援していきたい」ということです。