AMDAネパールダマック病院におけるCT検査開始 – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

AMDAネパールダマック病院におけるCT検査開始

AMDA ネパール支部が運営する、AMDAダマック病院は、1992年11月にAMDA、ダマック市役所、商工会議所及び地域住民の支援により15床の「AMDA診療所」として設立されました。
その後1995年には30床に拡張され、UNHCRの事業実施パートナーとして、地域住民のみならずブータン難民の一次医療を担うようになりました。現在では、ネパール保健人口省より100床のコミュニティー病院として認定を受けており、実際には145床以上が稼働しています。
同院では、一般内科、外科、産婦人科、小児科、整形外科、耳鼻咽喉科、歯科、眼科、皮膚科、麻酔科、放射線科など幅広い専門診療を行っており、6床の集中治療室(ICU)、8床のハイケアユニット(HCU)、6床の新生児ケアユニット(NICU)も備えています。また、血液検査、X線検査、心電図検査、内視鏡検査など臨床検査も実施しています。
病院はジャパ郡ダマック市に位置し、イラム、パンチタール、タプレジュン、モランなどの遠隔地からも多くの患者を受け入れており、なかには数日をかけて来院する方もいます。年間の外来患者数は3万9,000人を超え、1日あたり15~20件の手術や分娩が行われるなど、地域の中核病院として重要な役割を果たしています。
しかし、これまで高性能なCT検査装置がなかったため、外傷や脳卒中、腹部救急などの診断に時間を要し、適切な治療の遅れや専門病院への紹介遅延による重症化のリスクが課題となっていました。また、他院で撮影する場合は費用負担が大きく、貧困層や農村部の住民にとって画像診断を受けることは難しい状況況でした。このような背景から、CT検査装置導入は病院にとって喫緊の課題でした。

そこで、 AMDAはCT検査装置の導入を2023年に決定し、AMDAから資金の一部を支援しました。


そして2025年9月、ついにAMDAダマック病院にキャノン製「アクイリオン・ライトニング160スライスCTスキャナー」が届きました。
ネパール東部州では、BPコイララ医科学大学病院(BPKIHS・1000床)に次いで、2番目の高性能CTスキャナー導入病院となりました。

AMDAダマック病院はNGOが運営する非営利の医療機関であり、経済的に困難な人々にも適正価格で医療を提供しています。
CT検査費用も他の民間病院より10〜20%安く、低・中所得層の患者にも利用しやすい料金設定になっています。
さらに、経済的に厳しい患者には同病院の社会福祉部門の審査を経て、減免または無料での検査を提供しています。

CT検査装置導入により、遠方の病院へ行く必要がなくなり、通院の負担が大きく軽減されました。
また、外傷・脳卒中・腹部疾患・がんなどの患者に対して迅速かつ正確な診断が可能となり、早期の治療開始が実現しています。
高性能CTによる診断体制の強化は、地域の他病院からの紹介件数の増加にもつながり、AMDAダマック病院の信頼性をさらに高めています。
地域の患者からは、「地元で最新のCT検査を受けられるようになったことに感謝している」と多くの声が寄せられています。
AMDA は今後もAMDA はネパール支部が運営する病院を支援していく予定です。

CTスキャンを受ける患者さん
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CTスキャンについて看護師から説明を受ける患者の家族