インド・ブッダガヤ『お年寄りの家』修繕工事完了のご報告

AMDAの現地協力団体が運営する、インド・ビハール州ブッダガヤの『お年寄りの家』は、身寄りのない24名のお年寄りが安心して余生を過ごすための共同生活の場であり、最期まで穏やかに暮らせる終(つい)の棲家です。
2025年6月1日、ブッダガヤを襲ったモンスーンによる暴風雨で、台所と牛舎の屋根が吹き飛ばされるなど深刻な被害を受けました。調理場を失ったことでお年寄りの食事を準備できず、施設スタッフは大部屋の片隅で軽食を用意するか、地元の支援者に食事を提供していただくなど、困難な日々を過ごしました。
また、屋根のない牛舎では、野ざらしの状態で過ごさざるを得ない牛が、強い日差しや風雨にさらされていました。搾乳した牛乳は入居者への栄養源であると同時に、余剰分を販売して施設の運営費に充てる大切な収入源でもあります。このため、牛舎の被害はお年寄りの生活全体に大きな影響を及ぼしていました。


暴風で屋根が吹き飛ばされた台所と牛舎
被害の大きさから、現地だけでの対応は困難であり、『お年寄りの家』の設立者でありAMDAピースクリニック元職員のベーダ氏より、AMDAに緊急支援の要請が寄せられました。ブッダガヤでは6月末から本格的なモンスーンシーズンに入り、豪雨が続く中、修繕は急務でした。皆さまから寄せられた温かいご支援により、台所と牛舎の修繕工事を迅速に開始することができました。
皆さまのご厚情に支えられ、2025年8月末をもって修繕工事を無事に完了することができました。新しい台所では再び温かい食事を調理できるようになり、お年寄りの皆さんが笑顔で食事をする姿が戻っています。牛舎も再建され、牛は雨風をしのげる環境で安心して暮らせるようになりました。これにより、酪農による収入源も回復し、施設運営の安定にもつながっています。
今回の修繕工事は、皆さまからのご支援なくして実現できませんでした。
お年寄りの暮らしを守り、安心できる終の棲家を維持するための大きな力となりましたこと、心より感謝申し上げます。

