
3月28日、ミャンマー中部を震源とする地震が発生してから、4か月が経ちます。支援活動を共に行った、現地協力団体People’s Health Foundationから支援活動報告が届きました。抜粋してご紹介します。
【地震発生から現在までの被災地の状況】
3月28日、マグニチュード7.7の地震がミャンマー中部を襲いました。その12分後には、マグニチュード6.7の強い余震が発生。それ以降も頻繁な地震活動が続いていて、被災地の方の中には、建物のさらなる倒壊を恐れ、屋外や開けた場所で生活する人たちもいます。余震は、6月末時点で少なくとも200回を数えます。これらの地震により、ネピドー、マンダレー、シャン、バゴー、サガインの5つの地域で、広範囲にわたる被害が発生しました。ミャンマー災害管理局によると、死者3,757人、負傷者5,107人、116人が行方不明となっています(2025年4月22日時点)。
地震発生から3か月以上が経過し、被害の大きかった地域への物理的なアクセスは改善されつつあります。しかし、通行できるルートが限られているため、主要道路では交通渋滞が発生しています。通信はほぼ復旧しており、電力供給も多くの地域で安定しています。一方、サガインでは、電力供給が不安定であるため、電気を必要とする河川からの揚水に影響がでており、水が不足しています。
最高気温44℃に達する猛暑と、6月初旬に始まったモンスーンによる雨は、支援活動や被災者の生活に、困難をもたらしています。一部地域では豪雨による鉄砲水が発生。ほかの地域では水源が汚染されていて、安全な飲料水が不足し、衛生状態が悪化しています。特に、避難所に暮らす人たちへの影響が懸念されます。

【AMDAからの支援】
日本からミャンマー最大都市であるヤンゴンに派遣されたAMDA調査チームは、4月5日から9日まで、People’s Health Foundationと一緒に、情報収集、医薬品の購入、支援活動の調整などを行いました。AMDAによる主な支援は以下の2つです。
A)マンダレー内の被害が深刻であった地域に必須医薬品を支援
4月7日、ヤンゴンで購入した、抗菌薬、降圧薬、感冒薬、糖尿病薬などの必須医薬品は、地元関係者によって9日にはマンダレー地方域保健局のディレクターに届けられました。
B) 地震により被災した首都ネピドー、マンダレー、バゴー、ザガイン管区とシャン州にある自治体保健局、大学、医療機関、計12か所に対する経済的な支援
ネピドーにあるピンマナ総合病院からは、AMDAからの経済支援が、応急処置に必要な医薬品の調達、被災した病棟の衛生環境改善、地域住民用の安全な飲料水確保に使用されたと報告がありました。また、サガインにあるワチェット僧院病院は、被災地域における食料・医薬品の提供、および高齢者支援に使用されたということです。
