AMDAバングラデシュ支部 サイクロン・マハセン被災者に対する緊急医療支援活動 – AMDA(アムダ)
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国連経済社会理事会総合協議資格NGO

AMDAバングラデシュ支部 サイクロン・マハセン被災者に対する緊急医療支援活動

 サイクロン・マハセン被災者に対する緊急医療支援活動

AMDAバングラデシュ支部

バングラデシュ政府は、バングラデシュ南東部の沿岸地域を5月15日深夜に強力なサイクロン・マハセンが通過予定として、24時間の緊急救援チームの派遣待機要請を発令した。

AMDAバングラデシュ支部と日本バングラデシュ友好病院の合同緊急支援チームは2チーム(Aチーム、Bチーム)の編成を行い、サイクロンの予報に合わせて即座に、被災が予想されるエリアへの移動準備を開始した。

サイクロンの被災地最前線に向かったAチームは、2013年5月14日ダッカを出発して、サイクロンの最前線に近いチッタゴン(Chittagong)管区コックスバザール(Cox’s Bazar)県タクナフ(Taknaf)郡に到着した。チームは医師、看護師やそのほかの医療従事者から成る10名のメンバーで構成された。タクナフでは、サイクロン通過前だったため、チームは地方自治体や政府機関、他のNGOチームと共同で、低地に住む人々のための、安全性の確保された避難場所の提供などを中心に3日間の活動を行った。












サイクロン通過後の5月18日には、第2次派遣として、被害状況や交通事情などを加味し、Aチームとは別の地域にBチームの派遣を行った。Bチームは医師、看護師など6名で医療チームを結成し、被害の大きかったエリアの一つであるバリサル(Barisal)管区パトゥアカリ(Patuakhali)県のカラパラ(Kalapara)郡へ到着。約10,620人が被災し、2,300棟が全壊、4,200棟が半壊のという状況だった。

5月19日にはカラパラ郡ニルガン(Nilganj)町のパクヒマラバザールで、終日に渡り緊急医療支援活動を実施した。この地域の被災状況を考慮して、合同医療チームは患者の問診や医薬品の提供をおこなった。また食品、生活支援物資の提供を行った。












【提供した医薬品】
・ORS(経口補水液) 600パック
・点滴 10パック
【生活支援物資】
・女性用の民族着サリー100着、男性用民族着ロンギ100着
・ろうそく、マッチ1200セット
【食品】
・米フレーク200キロ
・糖蜜50キロなどの乾燥食品

この活動で400人に物資の提供をすることができ、患者200人に必要な医薬支援を実施することができた。

日本バングラデシュ友好病院の緊急医療チームは7年前に結成され、自然災害や人的災害によって被災した人々を助けるために医師、看護師ほか医療従事者によって構成されている。そして、現在はAMDAバングラデシュ支部と合同で、「開かれた相互扶助」「パートナーシップ」「ローカルイニシアチブ」の精神に基づいて活動を行っている。

これは、2013年4月に岡山で開催された「アジア相互扶助災害医療ネットワーク会議」で宣言された理念に基づく活動である。

この理念に基づき、今後も、いかなる緊急事態でも必要があれば、国内および、国境を越えて、困っている地域に緊急医療支援を提供していきたいと考えている。