ダイヤ工業株式会社と災害医療支援協定が実現〜きっかけは一人のインターン学生〜 – AMDA(アムダ)
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ダイヤ工業株式会社と災害医療支援協定が実現〜きっかけは一人のインターン学生〜

AMDA理事 難波 妙


2月18日、医療用品メーカーのダイヤ工業株式会社(岡山市)、松尾浩紀代表取締役社長とAMDA、菅波理事長は、大規模災害発生時における緊急医療支援活動実施に関する連携協定書に調印しました。

1963年設立のダイヤ工業株式会社は、コルセット、サポーター、テーピング、トレーニング用品など多岐にわたる製品の開発、製造、販売を行っており、人工筋肉を使用したアシストスーツの開発や健康寿命の延伸にかかわるサービスなども展開しています。


2017年1月 インドネシア
ハッサヌディン大学での講演する野山さん

今回の協定締結のきっかけは、2016年、就実大学(岡山市)から派遣された一人のインターン学生にさかのぼります。当時、就実大学2年生だった野山貴弘さんは、海外経験はなかったもののAMDAの活動に興味をもち、4か月のインターン期間中、熊本地震後の報告書作成やインドネシア事業への参加を通して、世界への関心はどんどん広がっていきました。そして卒業後に、ダイヤ工業株式会社に就職。AMDAでの経験をダイヤ工業株式会社に共有し、ダイヤ工業のサポーターやコルセットの開発でのノウハウ、技術を駆使し開発されたムレンマスクのクラウドファンディングをAMDAに提案してくれました。

この提案を契機にダイヤ工業株式会社は、自治体、医療機関、企業、NPO、教育機関で構成されるAMDA南海トラフ災害対応プラットフォームに参加することで企業の社会貢献を行うことを目的とした連携協定を結ぶ運びとなりなりました。具体的には、岡山市とほかの地域にも自社の物流センターを持つダイヤ工業株式会社が、AMDAの災害支援の一環として積極的に取り入れている災害伝統医療活動で使用する鍼灸用の鍼、テーピングテープ、サポーターなど、特にニーズの高い物資を、ダイヤ工業株式会社の物流ネットワークを駆使して、素早く活動地に届けられるよう協力します。加えて、AMDAで備蓄するより、地理的にも最適な環境で物資の流通備蓄を行うことにより、常に大規模災害に備えることが可能になります。さらには世界17か国の販売ネットワークを生かした海外での支援物資協力も含め、より迅速かつ適切な活動を実現するための大切なパートナーをAMDAは得たことになります。

一人のインターン学生が、4年後、自らの就職先とAMDAを連携協定という形でつないでくれました。野山さんの長年にわたるAMDAへの協力に感謝するとともに、若い社員の提案を会社の社会貢献として採用するダイヤ工業株式会社の寛大さとしなやかさに感銘を受けました。この度の連携協定にご尽力いただいた松尾代表取締役社長をはじめ、anifull部門、セクションマネージャーの川田様、新市場開拓部門営業チームリーダーの藤原様はじめ多くのご関係者の皆様に心からの感謝を申し上げます。

*ダイヤ工業株式会社 代表取締役社長 松尾 浩紀様、マーケティング部門 野山 貴弘様よりコメントをいただきました。

ダイヤ工業株式会社 代表取締役社長 松尾 浩紀様

この度の連携協定を通して、迅速な支援活動のサポートが可能になる事を大変ありがたく思っております。弊社には全国各地、また海外にパートナーがいます。現地の情報をAMDA様に届ける事も可能で、弊社の物流拠点から必要物資をお届け出来ます。大規模災害はいつ起こるかわかりません。準備を進め必要な時に支援が出来るように、運動器のサポーティングシステムメーカーとして社会に貢献し続けてまいります。

ダイヤ工業株式会社 マーケティング部門 野山 貴弘様
今回、AMDA様と災害医療支援協定を締結することができたことを大変嬉しく感じております。私はAMDAで活動をしていた2016年に東日本大震災の被災地を訪れており、震災から5年が経過した当時でも震災の爪痕跡が残っていたことを鮮明に覚えています。災害伝統医療活動は怪我や病気の治療だけでなく、被災者の心の癒しにもつながる活動であり、我々が取り扱う商品が被災者の心の支えになることを光栄に感じております。災害発生時に、弊社の商品や物流機能が一人でも多くの被災者のお役に立てることを願っています。