ルワンダ学校保健プロジェクト:12月健診報告 – AMDA(アムダ)
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特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

ルワンダ学校保健プロジェクト:12月健診報告

 現在、サフィナ医師らによりルワンダにおける学校健診を普及する取り組みが行われています。これまで、前回行われたキビリジ小学校に新たな3校を加えた計1,297人の児童を対象に学校健診が実施されました。日常生活で子供の異常に気付くことは難しく、学校健診が疾患を発見する重要な機会となっています。以下4校の学校健診の実施状況をまとめたものです。

発見された疾患

  • 停留精巣:15例              
  • 臍ヘルニア:8例
  • 不整脈:1例
  • 小頭症:1例
  • ダウン症:1例
  • 眼科的問題:1例
  • 耳介腫瘍:1例
  • 栄養失調:20例

 健康問題が見つかった児童は46人で、最も多く見られたのは停留精巣でした。停留精巣や栄養失調、眼・耳の問題などは適切な治療を受けることで改善が見込まれます。一方、ダウン症や小頭症の児童に対しては、継続的な発達支援が必要となります。これらの特定された症例について、それぞれの専門医を紹介する仕組みをつくることが求められています。ルワンダの医療体制では、通常健康状態に異常がみられてから医師の手にかかるまでに時間を要します。医師による学校健診が行われ、医師間の連携が取られることで、より素早い治療につながることが期待されます。

 さらに、適切な食事に関する健康教育を行うことで栄養不良を予防すること、精巣疾患や心臓疾患などの早期診断と治療に関する啓発キャンペーンを行うことが今後の課題としてあげられます。

 この度、日常生活で見過ごされていた児童たちの様々な疾患が発見されたことから、ルワンダにおける学校健診の普及の重要さが示唆されます。ルワンダの児童に対する包括的な健康管理システムを構築することを目標に、ルワンダ全国の他の学校にも赴き、学校健診の取り組みを拡大していく予定です。