1か月で6つの台風に連続して襲われたフィリピンでは、ルソン島を中心に甚大な被害が出ている。10月24日に台風20号がフィリピンに上陸して以降、AMDAはフィリピン支部、現地関係者と継続的に連絡を取り、支援活動を行ってきた。

　11月17日にビコール地方カタンドゥアネス州に上陸した台風24号による被害も大きく、地元関係者によると、同州の州都ヴィラクでは停電・断水が続いており、皆、家の片づけに追われている。ヴィラクから離れた地方に暮らす農家や漁師はこの台風により家や収入源を失い、厳しい生活を強いられている。

　この状況を受け、現地協力者であるAsian Center for Excellence in Development & Securityグロリア・メルカド代表より支援要請があり、11月20日、AMDAは台風被災者への支援を決定。22日には、日本から看護師1名、調整員1名をフィリピンに派遣する。

　６つの台風（台風20号から25号）による死者は172人、行方不明者は26人、負傷者は147人、被災者はのべ3,481,014世帯13,521,890人にのぼる(フィリピン国家災害対策本部発表の各台風報告の合計数)。

　なお、AMDAはフィリピン支部、現地協力団体とともに台風20号をはじめとする台風の被災者に対する支援をおこなってきた。11月16日には、現地協力団体Asian Center for Excellence in Development & Securityと協力し、台風20号による被害の大きいカラバルソン地方バタンガス州タリサイ町に、医薬品と衛生用品を寄贈した。頻繁に噴火するタール火山で有名な同町は、大雨により大規模な地滑りが発生し14人が亡くなり、18人が行方不明となった。

【AMDAのこれまでの主なフィリピンでの支援活動】
2023年５月　　フィリピン・カビテ市火災被災者支援活動　(ルソン島・カビテ市)
2022年11月　台風22号被災者緊急支援活動（ミンダナオ島）
2021年12月～2022年3月　台風22号被災者緊急支援活動
　　　　　　　　　　　（ボホール島・シアルガオ島・レイテ島）
2020年11月　台風19号・22号被災者緊急支援活動 (カタンドゥアネス島・ルソン島)
2019年11月　ミンダナオ島地震被災者緊急支援活動　(ミンダナオ島)