AMDA 本部 近持 雄一郎
AMDA フードプログラムの一環として、2014 年からインドネシア・南スラウェシ州のマリノ村で有機農業に取り組んできた AMDA マリノ農場。日本から持ち帰った技術を地域に根付かせ、来年で開設 10 周年を迎えます。AMDAが掲げる「食は命の源」の考え方は、マリノ村での有機農業事業に引き継がれており、既存の農業から有機農業に転換を図る現地農家が年々増えています。現在、有機農業を行う農家は常時 15 軒ほどで、米、赤米、からし菜、キュウリ、レタス、白菜、パクチョイ、青梗菜などの作物を通年で栽培しています。農場の継続性という意味では今後の見通しも明るい一方で、目下の課題は、プロジェクトの事務方を兼任できる人材が不足している点です。現在、農作業や技術指導に従事しながら、日本側との調整や現地でのマーケティングに携わる専任スタッフがいないため、このような統括役を公募し、現地に派遣するなどの道を模索する必要がありそうです。開設から 10 年目を迎えるにあたり、マリノ農場の(あるいは AMDA フードプログラム全体の)次なる方向性を見据える時期に差し掛かっているといえるかもしれません。