AMDA スタッフ 大原 瑞萌
現在もウクライナ国内では深刻な状況が続いており、人々の生活は困難を極めています。AMDA は、ハンガリーの 2団体およびウクライナの 2 団体と合同で、現地団体主導のもと、継続的な支援を行っています。尚、この活動は外務省の日本 NGO 連携無償資金協力事業としても採択され、ウクライナでの医薬品を含む物資支援などに充てられています。ハンガリー側:ヴァルダ伝統文化協会
キシュバールダ(ウクライナ国境から約 20 キロ)にある団体で、ウクライナ西側のウジホロド地域の医療施設などへ、必要な物資を継続的に届けています。今年の 8 月からは、トランスカルパティア州の国内避難者のケアを行う施設へ、定期的な冷凍食品の配布を開始しました。また、今年 6 月、ウクライナ南部ヘルソン地域において発生したダム決壊による大規模な洪水被害に対しても、現地自治体と協力して、二度にわたり食品や日用品の配布を実施しました。
ハンガリー側:メドスポット
ハンガリー側の国境の村ベレグスラーニーにあるヘルプセンタ ー で、AMDAとともに活動した医療団体です。現在は、ウクライナの戦闘地域から避難してきた方々の診察やメンタルヘルスケアをウクライナの西側の地域で行っています。避難してきた方のほとんどは、主治医はおろか知り合いもいません。放置されることなく、専門医による診察を受けることは、とても重要です。今年 7 月には、約 200 人の方に診察や投薬などの医療支援を届けることができました。また、息子が行方不明の女性や、乳幼児を連れた若い母親など、大きな不安を抱えながら避難してきた方も多く、心理的なサポートも求められています。
ウクライナ側:セントミッシェル小児総合医療センター
ウクライナ西部に位置する、子どものリハビリに特化した施設です。がん患者の薬物療法の支援、子どもの家へのブランケットやベッドシーツの配布、避難してきた家族ができたての食事をとれるような機会の提供など、活動は多岐にわたっています。がん闘病者の中には、夫の収入だけでは治療薬を購入できず、AMDA の支援により、治療を受けている 2人の小さな子どもがいる母親もいます。すべての支援が、支援を最も必要としている人のところに届くよう実施されています。
ウクライナ側:ダイナスティメディカルセンター
ダイナスティメディカルセンター周辺の人々へ医療、食糧、燃料、暖房器具などの支援を継続して行っています。失業や 50%以上の物価上昇などにより、治療や医薬品を買うことが経済的に難しくなっています。そのような中、8 月 7 日と9 日の 2 日間で、合計約250 人に無料の治療と薬の処方を行いました。また、高品質の麻酔薬の使用により、術後の仕事復帰がスムーズに進んだという方もおり、感謝の言葉を述べておられました。