【ウクライナ人道支援活動:ウクライナ北東部ハルキウにある医療機関『ダイナスティメディカル』からの報告8月・9月】 – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

【ウクライナ人道支援活動:ウクライナ北東部ハルキウにある医療機関『ダイナスティメディカル』からの報告8月・9月】

 AMDAは、ウクライナ北東部の主要都市ハルキウにある医療機関『ダイナスティメディカルセンター』への支援を2022年より継続的に行っています。この度、同メディカルセンターのディクレクターから、現地の状況と支援についてご報告いただきました。











 前線から近く、たとえ危険だとわかっていても、生まれ育った村を離れたくない人、身体的、経済的など様々な理由から今住む場所から離れられない人もいます。しかし、戦闘で住む場所を失い、移動せざるを得ない状況に陥った場合、自分たちが住んでいた場所から一番近い、主要都市であるハルキウに避難してきます。前線から約20㎞に位置するハルキウでも、時期によりますが、数日に1回、ミサイルや爆撃の音が聞こえる中での生活を住民は強いられています。子どもたちは安全確保のために地下にある防空壕で学ばざるを得ず、長時間換気の悪い場所にいることが原因で健康問題が発生するなど、環境は決して良いとは言えません。お店は通常営業しており、物流も今のところは正常に戻ってきた一方、医薬品が手に入りにくい状況は改善されていません。停電はあるものの、電気は使用できる状況です。物価も10%程度値上がりし、厳しい状況ではありますが、道路が壊れればすぐに修繕され、ある地域で燃料が足りなくなれば他の地域から調達するなど、新たなシステムが構築されつつあり、住民は環境に適応しながら生活しています。

耳鼻咽喉科を専門分野とする『ダイナスティメディカルセンター』には戦闘が始まって以来、爆撃の音などにより聴力を失ったり、鼓膜などに損傷を受けた人たちの対応も行ってきました。同時に、高額な費用が継続的に掛かるガン治療を受ける患者への医薬品提供、周辺住民に対するパスタ、食用油、紅茶などの食糧支援も行っています。同メディカルセンターは、冬に向けて、必要としている人へ発電機を配布する計画をしています。











 AMDAは2024年8月より1年間、同センターを支援していきます。2024年8月から9月にかけて、AMDAからの支援金は、同センターで使用する医療消耗品、がん患者2名への医薬品提供、ならびに周辺住民約20人に対する食糧支援物資の購入に宛てられました。