インド担当アルチャナ ジョシ
インド・ビハール州では新型コロナウイルス感染拡大防止のため、2年間で数回の都市封鎖が実施されました。これにより、失業者が急増し、特に妊婦さんの栄養不足が課題となりました。ブッダガヤにあるAMDAピースクリニック(APC)では、彼女たちの健康相談を行うとともに、その家族を対象とした食糧支援を実施しました。今年に入ってから都市封鎖が解除され、ブッダガヤを訪れるインド国内の観光客も少しずつ戻りつつあります。「仕事が増え、失業者も収入を得られるようになった」と、APCのスタッフから報告を受けました。そのため、今年の3月末で、月に2回配布していた食糧支援を終了しました。
新型コロナウイルスの感染が拡大する前は、週に一度、健康教育と栄養プログラムを実施していました。その中で、妊婦さんや授乳中のお母さんに必要な栄養摂取について指導を行い、実際にAPCで調理した食事を試食してもらっていました。APCでは今年4月からこれらの活動を再開。現在は、妊婦さんや子供を連れた母親など約20人が毎週水曜日に集い、プログラムに参加しています。
一方、依然として新型コロナウイルスの感染リスクは残っています。このため、現在は大きめの部屋を使用し、マスク着用を原則として、距離を保って座ってもらい、果物やスープなど栄養プログラムで紹介した食べ物も、その場では一切食べずに持ち帰ってもらうようにしています。参加者は、「妊娠中の健康のことや、栄養のことなど、いろいろと教えていただき、うれしいです」と話しました。