続・フィリピン台風22号(オデット)緊急救援活動(2022/07発行ジャーナル夏号) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

続・フィリピン台風22号(オデット)緊急救援活動(2022/07発行ジャーナル夏号)

AMDA本部 近持 雄一郎
 
2021年12月にフィリピン中部シアルガオ島をはじめ、ボホール島やセブ島などに甚大な被害をもたらした台風22号(オデット)。AMDAは発災当初よりAMDAフィリピンや現地協力団体とともに緊急救援活動を実施し、その後も中・長期的な支援を継続しました。

特筆すべきは、現地のオートバイ愛好家のグループがバイクで被災地をまわり、マニラなどの都市部から救援物資を届けた「子どもキャラバン隊」の活動です。その目的は、被災した子どもたちに玩具や学用品、食料品などを提供し、マジックショーを通じて元気になってもらうことでした。2021年の12月から始まり、2022年1月、3月と計3回に渡って行われました。

 
その際に掲げられたのが、”United in Sharing Love!”(「愛を分かち合うために団結」)というスローガンです。単なる救援物資の配布に留まらず、「活動を通じて人々に感動を与え、心に”愛の種”を植えたい」という主催者の強い思いが込められています。

こうした一連の流れが、公的機関や市民団体、さらにはフィリピン国防大学、公安大学などの組織を動かすことになり、中には、それまで政府の支援が行き届いていなかった地域にキャラバン隊が入ったことで、その後の公的な支援に繋がったケースも見られました。現地からの報告では、「”愛を分かち合う”という行為が、地域における災害からの回復力を高め、人々に協力を促すよう期待したい」と、活動を総括しています。