「魂の授業」 ー岡山市立幸島小学校にてー(2022/04発行ジャーナル春号) – AMDA(アムダ)
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「魂の授業」 ー岡山市立幸島小学校にてー(2022/04発行ジャーナル春号)

GPSP支援局 総務担当 ブルックス 雅美
 
AMDAボランティアセンター事務局長竹谷和子儀、かねてより病気療養中のところ、去る1月26日に逝去いたしました。ここに生前のご厚誼に深く感謝するとともにご冥福をお祈りし、謹んでお知らせいたします。

 生前1月14日、竹谷は岡山市立幸島小学校の6年生13人を対象に、「AMDAの目標および仕事について」と題した特別授業を行いました。 長年県内の中学校の教員として多くの生徒たちと向き合ってきた竹谷の「どんどん声をかけていくから返してね。OK?」という大声で授業開始。「平和とは何ですか?」という竹谷からの問いに、生徒たちは思い思いに回答しました。竹谷は、「回答してくれた人、そして手を上げられなくても、みんな目をキラキラさせて考えてくれたことがよくわかる。本当に素晴らしい」と、拍手とともに、生徒全員を賞賛しました。

さらに、国内外で自身が経験したことを出来る限り伝え、竹谷の大声の「OK?」と生徒たちの「OK!」のかけあいが幾度も繰り返されました。特にこの授業で最も伝えたかった、「『助けてあげる』ではなく『助け合う』」という相互扶助の精神にも、生徒たちは強く同意していました。

授業終了後、竹谷自身は”無事に終えることができた”とやり切った様子で話しました。後日送られてきた生徒たちからの感想文には、AMDAのことはもちろん、「『助けてあげる』は上から目線でえらそうな感じがするから、『助け合う』というほうがいいと思った」などと書かれてあり、竹谷が心から伝えたかった想いはきちんと届いていた様子でした。まさに、これが彼女の最期の授業、「魂の授業」となりました。