AMDA速報39 西日本豪雨災害被災者緊急支援活動 – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

AMDA速報39 西日本豪雨災害被災者緊急支援活動

AMDAは7月7日より総社市、同月11日より倉敷市真備町にて西日本豪雨で被災された方々に緊急支援活動を開始し、8月15日をもって緊急支援活動を終了した。今回派遣者として、岡山県内外、そしてモンゴルより総勢248人の方(学生ボランティア含む)にご協力いただき、医療支援、避難所や救護所での健康支援、鍼灸支援など様々な形での活動を実施した。(但し、真備公民館薗分館での支援活動は8月31日まで継続する。)

8月15日、雲が優勢で蒸し暑いが、AMDAはサンワーク総社(総社市)、岡田小学校(倉敷市真備町)、真備公民館薗分館(倉敷市真備町)の3か所にて支援活動を実施。AMDA南海トラフ災害対応プラットフォーム*協力自治体の一つである黒潮町より保健師1人、協力協定を結んでいる岡山県立大学からもボランティアの方含む、多くのボランティアの方にご協力をいただいた。

*当プラットフォームは、岡山県、香川県、高知県、徳島県の協力自治体、協力医療機関と企業などにご参加いただいて、南海トラフ災害が発災した際、協力して被災地支援を行っていく体制のこと。


8月14日、15日の活動レポート


勤労者総合福祉センター・サンワーク総社:保健師による健康支援と災害鍼灸チームの活動








14日、15日いずれもサンワーク総社(8月14日現在避難者数:18世帯36人)にAMDAは保健師と調整員を1人ずつ派遣した。保健師は避難所を巡回、バイタルチェック等を行いながら避難者の健康を見守った。
14日には、先日AMDA調整員が倉敷市の管理栄養士に相談した、牛乳と食べきりサイズのフルーツ缶の配給が早速実現し、避難者にとても喜ばれた。15日もAMDA保健師と調整員は通常通り避難者と寄り添い、散歩や体操などを一緒に行った。この日、AMDAのサンワークでの活動が最終と知る避難者からは「AMDAは最初から入ってくれてお世話になった。」と声をかけられた。
この日まで3日間、この避難所で活動した保健師は、「避難者の方の表情が明るく、温かく迎えてくれて、私が支えてもらった。」と振り返り、自身が今回感じた「避難者にとって、仕切り壁がないからこそ人に見守られる安心感」などを、自身が所属する部署で生かすことが出来ればと語った。

毎日午前中に実施した鍼については、14日は鍼灸師3人が計7人に施術を行った。そのうち1人は今回初めて受診したが、利用後非常に良かったと話されていた。15日は最後と聞いて、今まで施術を受けられた方8人が利用。施術後にはそれぞれ、「最後まで頑張ってくださってありがたい。」「本当に楽になった。ありがとう。」と感謝を述べられた。7月26日開始以降8月15日までに、延べ91人が鍼を受けた。
 

倉敷市立岡田小学校避難所:AMDA災害鍼灸チームからのレポート







14日、AMDAは鍼灸師4人を派遣、12人が受診した。睡眠状態がよくないとのことで受診した方もいた。施術後は疲れが取れてすっきりしたと帰られた。15日は3人の鍼灸師が、「最後だから。」と訪れたリピーター含め、計20人に施術を行った。この日がAMDAによる鍼灸活動の最終日となるが、今後も鍼を受けたいから鍼灸院を探すなどの声も聴かれた。7月14日に始めた鍼治療を、8月15日までに延べ522人が利用、多くの方がリピーターとして受診した。

マッサージ師によるマッサージも14日には7人、15日には5人が利用。岡田小学校でのマッサージを利用された方は延べ200人(7月11日開始より)。マッサージを受けた方だけでなく、今回参加したマッサージ師自身も参加できたことを喜んでいた。足浴は14日5人、15日は9人が利用した。「鍼はできないが最後だからおしゃべりに来た。」と足浴を受けに来る方もいた。7月22日より延べ242人が利用した。

7月より岡田小学校、幼稚園の教室を「ケアルーム」としてお借りし、鍼灸等で避難者の方々の心身を少しでも癒せることが出来ればと活動してきた。多くの方がこの「ケアルーム」を訪れ、最初は不安や疲労、ストレスなどでこわばった表情だった方々が、鍼などを通して体の不調の改善だけでなく、少しずつ笑顔を見せ、色々な話をしてくれるようになった。この避難者の笑顔が活動する側の励みになった。
 

看護師による見守り対応:真備公民館薗分館(倉敷市真備町)








AMDAは「Bridge for Fukushima」の代表を務める元AMDA職員の伴場氏より活動協力の申し出を受け、薗分館の避難者が入居していた施設の解体作業に、同団体よりご協力をいただけることになった。14日及び15日、同団体からボランティア6人が現地入りし、暑い中、解体されたものの運搬や、たまった水抜き、泥かきを実施した。屋外での重労働のためAMDA看護師1人を救護者として派遣し、参加者自身もけがに気をつけ、自分が無理して倒れないように「決して大丈夫とは言わないこと」を心掛け、休憩を取りながら作業を行った。想像以上に暑さが堪えたが、「微々たる協力だったが嬉しかった。」「もう少しやりたい。できれば最後まで見たい。」と参加者は活動後に語った。全員体調も崩さず無事に終了した。

 

派遣者一覧


■協力機関等からの派遣者(8月14日、15日 総社市) *職種別五十音順、敬称略

・周治 麻衣(しゅうじ まい)保健師/AMDA南海トラフ災害対応プラットフォーム協力自治体・黒潮町職員/38歳
・中野 侑子(なかの ゆきこ)鍼灸師/ゆう鍼灸院/29歳
・中野 祐也(なかの ゆうや)鍼灸師/九州保健福祉大学/33歳
・石堂 智行(いしどう ともゆき)調整員/AMDA緊急救援ネットワーク登録メンバー/48歳
・野口 律奈(のぐち りつな)調整員/帝京平成大学/53歳
・原田 弥生子(はらだ みおこ)医療調整員/AMDA兵庫/51歳
 

■協力機関等からの派遣者(8月14日、15日 倉敷市真備町) *職種別五十音順、敬称略

【岡田小学校】
・菅原 久美子(すがはら くみこ)看護師・調整員/AMDA緊急救援ネットワーク登録メンバー/38歳
・阿久津 圭祐(あくつ けいすけ)鍼灸師/AMDA緊急救援ネットワーク登録メンバー/25歳(14日のみ。午前中は総社)
・今井 賢治(いまい けんじ)鍼灸師/帝京平成大教授、AMDA災害鍼灸ネットワーク代表世話人/53歳(但し、午前中は総社)
・北小路 博司(きたこうじ ひろし)鍼灸師/宝塚医療大学/68歳(但し、午前中は総社)
・林 篤志(はやし あつし)鍼灸師/AMDA緊急救援ネットワーク登録メンバー/27歳
・山崎 克枝(やまさき かつえ)あんまマッサージ指圧師/48歳
  ほか、14日のみ調整員1人

【真備公民館薗分館】
・山河 城春(やまかわ しろはる)看護師/AMDA緊急救援ネットワーク登録メンバー/43歳
 

■本部からの派遣者(8月14日、15日) *派遣順

・難波 妙(なんば たえ)調整員/AMDA本部職員/総社市在住/55歳
・橋本 千明(はしもと ちあき)看護師/AMDA本部職員/岡山市在住/38歳
・神倉 裕太郎(かみくら ゆうたろう)調整員/AMDA本部職員/岡山市在住/26歳
・岩尾 智子(いわお ともこ)看護師(米国資格)・調整員/AMDA本部職員/岡山市在住/34歳
・大西 彰(おおにし あきら)調整員/ AMDA本部職員/岡山市在住/50歳
・クリス バーフット 調整員/ AMDA本部職員/岡山市在住/26歳
・アルチャナ シュレスタ ジョシ 調整員/AMDA本部職員/倉敷市在住/42歳
 

【皆様からの募金を受け付けております】

■郵便振替■口座番号:01250-2-40709 口座名:特定非営利活動法人アムダ
 *通信欄に「西日本大雨緊急支援活動」とご記入下さい
■楽天銀行■ロック支店 普通預金 口座番号:7002547 口座名:特定非営利活動法人アムダ
■中国銀行■一宮支店  普通口座  口座番号:1347410 口座名:特定非営利活動法人アムダ
■PAYPAL・クレジットカードでの募金も受け付けています。詳細はホームページをご覧ください。
なお、ご寄付指定いただいた緊急救援活動の寄付総額が、その活動の支出経費を超えた場合には、他の緊急救援活動に充当させていただくことがあります。ご了承をお願いいたします。
 

【お問い合わせ】AMDAボランティアセンター

〒700-0013 岡山市北区伊福町3-31-1 TEL:086-252-7700 
FAX:086-252-7717 E-mail: member@amda.or.jp  http://www.amda.or.jp