AMDA速報36 西日本豪雨災害被災者緊急支援活動 – AMDA(アムダ)
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特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

AMDA速報36 西日本豪雨災害被災者緊急支援活動

8月12日、AMDAは多くのボランティアの方にご協力をいただき、引き続きサンワーク総社(総社市)、岡田小学校(倉敷市真備町)、真備公民館薗分館(倉敷市真備町)の3か所の避難所と、真備公民館岡田分館(倉敷市真備町)の救護所で支援活動を継続して行っている。

今回の活動には、AMDA南海トラフ災害対応プラットフォーム*協力自治体の一つである黒潮町より保健師1人派遣していただいており、そして11日まで4日間徳島県美波町より看護師2人、調整員1人を派遣いただいた。加えて、8月10日、11日には協力協定を結んでいる岡山県立大学より合計6人、玉野総合医療専門学校から2人がボランティアとして活動に参加してくださった。


*当プラットフォームは、AMDA、岡山県、香川県、高知県、徳島県の協力自治体、協力医療機関と企業などにご参加いただいて、南海トラフ災害が発災した際、協力して被災地支援を行っていく体制のこと。


8月10日、11日の活動レポート


真備公民館岡田分館(倉敷市真備町)救護所での医療支援:派遣者の声


10日から2日間、AMDAは看護師2人、調整員1人を真備公民館岡田分館の救護所に派遣、総社市保健師や倉敷市社会福祉協議会医療ボランティアと一緒に、家の片付けなどを行う被災者、ボランティアへの医療支援を行った。派遣者は救護所で待機する組、巡回し熱中症対策の呼びかけとともに、冷たいタオルや氷嚢、飲み物を配布する組に分かれて活動。巡回組は1日6、7軒を回った。ある自宅の方は巡回していた看護師たちに、「2階に避難していたが、水位がどんどん上がってきてあっという間に1階が浸水していく様子を窓から見ていた。今日は、ボランティアさんが片付けに来てくださるので、家に帰ってきている。」と話した。



10日には高校生ボランティア2人が体調不良を訴え、内1人は熱中症の症状で頻脈も見られたため、病院で受診することとなった。11日は熱中症の症状は見られず、小さい切り傷を処置した。



この2日間参加した看護師は、自身が今回支援活動への参加が初めてで最初は自分に何が出来るかわからなかったこと、しかしながら今回短期間ながら参加してみて、自分に出来ることはできたと思う、と語った。



 

倉敷市立岡田小学校避難所:AMDA災害鍼灸チームからのレポート








岡田小学校避難所での活動を開始してから約1か月が経ち、現在活動を行っている「ケアルーム」は一部の避難者にとって憩いの場として認識され、鍼治療のリピーターも増加している。気持ちが落ち込み、眠れない日々が続いているという方が数日前に初めて鍼を受けたが、11日に「鍼を受けた夜はよく眠れた。」と再度施術を受けられた。



更に、足浴をおしゃべりしながら受ける方も多く見られるようになっている。最近では、次に住む家が決まった人が多く、足浴を受けられている間、引っ越しに向けてのお話を伺うことが増えてきた。最初の頃は片付けなどで疲れを見せていた避難者の方々が「ケアルーム」を利用することによって徐々に前向きになり、避難所を出て行かれる姿を見送れることは大変嬉しいことである。



尚、10日は13人、11日には17人が鍼治療を受けた。足浴も10日には9人、11日には10人が受け、マッサージ師によるマッサージを7人が受けた(10日のみ)。



 

モンゴル・ウランバートル エマージェンシーサービス103医師1名からのレポート



8月6日、AMDAと災害協力協定を結んでいるウランバートル エマージェンシーサービス103よりアルタンザガス・アディヤスレン医師が被災地入りした。8日にAMDAが活動する総社市および倉敷市真備町の避難所・救護所計4か所を訪問した後、9日、10日の2日間、岡田小学校「ケアルーム」で行っているAMDAの活動に参加した。足浴に来られた高齢者や子どもたちと話したり、鍼治療に来られた避難者の悩みなどを伺った。活動に参加したアディヤスレン医師は、「2013年に協力協定を結んだ時からAMDAと救援活動を行っている。今回の惨事に心を痛めている。私は、早くに亡くしたおばあちゃんと接していたように、避難している高齢者に接した。言葉の壁を越えて高齢者や子どもたちと交流できたことが嬉しかった。」と話した。



 

勤労者総合福祉センター・サンワーク総社:保健師による健康支援と災害鍼灸チームの活動








10日及び11日、サンワーク総社(避難者数:18世帯36人)にAMDAは保健師1人を派遣。同時に毎日1人ずつ調整員を派遣している。



11日、避難者の多くは昼間外出され、避難所に残っているわずかの方々は今までそれぞれで昼食を食べていたが、この日から集まって一緒に昼食をとるという新たな試みを行った。これは少しでも食事を楽しみながらとっていただき、さらに食事摂取量の確認の意味もある。この日は避難者2人とAMDA派遣者も含むスタッフが一緒に食事をし、「久しぶりに楽しい食事ができた。」と避難者の方に言われた。また、食後にみんなで歯を磨くことで、避難者の方も歯を磨くきっかけになった。午後には保健師が一緒に避難者の方と散歩に出かけた。規則正しく、夜間に眠れるようこの散歩を行っている。



また、10日午前中に鍼灸師1人を派遣し、3人に鍼治療を実施。翌日11日午前中には鍼灸師2人を派遣、4人が施術を受けた。治療を受けると、「格段に楽になる」という声が聞かれた。



 

看護師による見守り対応:真備公民館薗分館(倉敷市真備町)



10日、11日両日ともに看護師1人を派遣し、施設の職員らとともに施設から避難した高齢者の健康支援にあたっている。レクリエーションの時間には、ボールや風船投げをしたり、手の運動をしたり、歌を歌いながら運動したりした。最初は、下を向いていた人も歌うことによって笑顔になり、顔も上を向くようになった。椅子に座ってた人も立って踊りだすなど、楽しく過ごされる様子が見られた。更に、避難者の方からは、「夜眠れなかったけど、1か月経ち、避難所生活にも慣れてきたので眠れるようになった。」という声も聞かれた。



 

派遣者一覧

■協力機関等からの派遣者(8月10日、11日 総社市) *職種別五十音順、敬称略



・横井 知子(よこい ともこ)保健師/AMDA南海トラフ災害対応プラットフォーム協力自治体・黒潮町職員/38歳

・石堂 智行(いしどう ともゆき)調整員/AMDA緊急救援ネットワーク登録メンバー/48歳(10日のみ)

・小野 亮(おの あきら)調整員/ AMDA緊急救援ネットワーク登録メンバー/49歳(11日のみ)

・難波 和代(なんば かずよ)調整員/地元ボランティア/29歳(10日のみ)

・野口 律奈(のぐち りつな)調整員/帝京平成大学/53歳(11日のみ)

・渡辺 恵子(わたなべ けいこ)調整員/清水博文税理士事務所/41歳(11日のみ)



 

■協力機関等からの派遣者(8月10日、11日 倉敷市真備町) *職種別五十音順、敬称略



【真備公民館岡田分館】

・尾崎 美紀(おざき みき)看護師/美波病院師長/53歳

・吉田 扶紀(よしだ ふき)看護師/美波病院/50歳

・近藤 和人(こんどう かずひと)調整員/美波町職員/55歳



【岡田小学校】

・アルタンザガス アディヤスレン 医師/モンゴル・ウランバートルエマージェンシーサービス103/29歳(10日のみ)

・菅原 久美子(すがはら くみこ)看護師・調整員/AMDA緊急救援ネットワーク登録メンバー/38歳(11日のみ)

・吉冨 昌子(よしとみ まさこ)看護師/地元ボランティア/55歳(10日のみ)

・阿久津 圭祐(あくつ けいすけ)鍼灸師/ AMDA緊急救援ネットワーク登録メンバー/25歳(11日のみ)

・上田 誠(うえだ まこと)鍼灸師/岡山県鍼灸マッサージ師会/41歳(10日のみ)

・林 篤志(はやし あつし)鍼灸師/AMDA緊急救援ネットワーク登録メンバー/27歳

・村上 高康(むらかみ たかやす)鍼灸師/ 常葉大学/40歳

・山口 大輔(やまぐち だいすけ)鍼灸師/朝日医療大学校鍼灸学科/45歳(10日のみ)

・山崎 克枝(やまさき かつえ)あんまマッサージ指圧師/48歳(10日のみ)

・加藤 爽子(かとう さわこ)医療調整員/倉敷中央病院/27歳(11日のみ)

他、調整員1名



【真備公民館薗分館】

・山河 城春(やまかわ しろはる)看護師/AMDA緊急救援ネットワーク登録メンバー/43歳



 

■本部からの派遣者(8月10日、11日) *派遣順



・難波 妙(なんば たえ)調整員/AMDA本部職員/総社市在住/55歳

・橋本 千明(はしもと ちあき)看護師/AMDA本部職員/岡山市在住/38歳

・神倉 裕太郎(かみくら ゆうたろう)調整員/AMDA本部職員/岡山市在住/26歳

・岩尾 智子(いわお ともこ)看護師(米国資格)・調整員/AMDA本部職員/岡山市在住/34歳

・大西 彰(おおにし あきら)調整員/AMDA本部職員/岡山市在住/50歳

・クリス バーフット 調整員/ AMDA本部職員/岡山市在住/26歳

・アルチャナ シュレスタ ジョシ 調整員/AMDA本部職員/倉敷市在住/42歳

・芦川 篤子(あしかわ あつこ)調整員/AMDA本部職員/岡山市在住/47歳



 

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