AMDA速報32 西日本豪雨災害被災者緊急支援活動 – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

AMDA速報32 西日本豪雨災害被災者緊急支援活動

8月7日、発災から1か月が過ぎ、AMDAの支援活動も2か月目となった。この1か月の活動を通じて、被災者の状況にも変化を感じている。復興に向けての今後の目途が立ってきた方は、「家族と将来のことを話すことができた」「家が決まったから安心して眠れる」「離れていた家族と一緒に暮らせる」と話す一方で、先が見えない方々は焦りや不安によるストレスが蓄積されている。AMDAはこのような避難者の事情を留意して、本日も引き続きサンワーク総社(総社市)、真備公民館薗分館(倉敷市真備町)、岡田小学校(倉敷市真備町)の3か所の避難所と、真備公民館岡田分館(倉敷市真備町)の救護所で支援活動を実施した。

なお、AMDA緊急支援活動は、多くのボランティアの方々に支えられており、8月5日よりAMDA南海トラフ災害対応プラットフォーム*協力自治体の一つである黒潮町から4人目となる保健師を1人、そして6日には協力医療機関である旭川荘より看護師1人を派遣いただいている。加えて、協力協定を結んでいる岡山県立大学から3人、玉野総合医療専門学校から2人、ボランティアとして活動に参加してくださった。
 


8月6日の活動レポート


勤労者総合福祉センター・サンワーク総社 保健師による健康支援と災害鍼灸チームの活動







6日、18世帯35人が生活するサンワーク総社の避難所に(6日 総社市発表)、AMDAは保健師1人、調整員1人を派遣して、自治体の保健師らと連携して、引き続き避難者の医療・健康支援活動にあたった。朝や昼など定期的に巡回する形で、避難者の健康状況を聞きながら体調を確認したり、適宜声掛けを行うなど避難者の状況把握に努めた。またこの日は、避難所内で黙とうが捧げられた。

午前中には、AMDA災害鍼灸チームの2人の鍼灸師が7人の鍼治療を行った。再診の方が6人、皆さん効果を実感してくださっており、再診を希望される。「とてもリラックスできた」と皆さんが笑顔で治療を終えられるのが、スタッフにとっても喜びである。また自宅の片づけで腰と背中を痛めた20代の避難者が今回初めて鍼治療を受診。「鍼治療は高齢者が受けるものと思っていた。AMDAスタッフの勧めで受診してみようと思えたが、治療してもらうと痛みが楽になった。ありがとうございました。」と喜びの声を語った。
 

真備公民館岡田分館(倉敷市真備町) 救護所での医療支援








6日には、総社市のボランティア19人が倉敷市真備町岡田地区に派遣され、被災した家の片付け作業をした。この活動を支える形で、AMDAは岡田分館に設置された救護所に看護師1人、調整員1人を派遣し、倉敷市の医療ボランティアと協働で医療支援を行った。暑い中での作業ということもあり、ボランティアの方にスポーツドリンクなどを手渡すなど熱中症対策に努め、傷病者は1人も出なかった。

倉敷市立岡田小学校避難所 AMDA災害鍼灸チームからのレポート







6日、18人に対し鍼灸治療を行った。初診2人、再診16人。時間の経過とともに腰・肩・背中などの体の痛みよりも、便秘や不眠などの不定愁訴を訴える方が増えてきている印象。長引く避難所生活で持病が徐々に悪化している、と語る方もいた。また何度か鍼治療に来られている患者の中には、回数を重ねるごとに、会話が増える方もいらっしゃり、ストレス解消の場にもなっている。会話の中も、鍼灸師がその患者の病気の予兆に気づくこともあるため、健康把握のためにもこうした会話は欠かせない。また、自治体などの保健師・看護師との連携も重要視している。咳や発熱があった患者の状況を、避難所で活動する保健師・看護師に共有したり、逆に看護師からは「腰が痛くて歩けない」と訴える患者に鍼治療を紹介するなど、こうした様々な協力・連携体制が避難所の健康支援を支えている。

その他、7人に対してマッサージを、18人に対して足浴を行った。特に足浴ではスタッフとの会話を楽しみに来られる方も多く、ストレス解消にもつながっている。足浴が終わってからも、残ってお話してくださる方もおられ、「ケアルーム」を気軽に利用できる雰囲気づくりに一役買っている。

 

看護師による見守り対応 真備公民館薗分館(倉敷市真備町)








6日、真備公民館薗分館には、AMDA看護師1人とAMDAと連携協定を締結している岡山県立大学のボランティア2人が出向き、施設の職員らとともに施設から避難した高齢者の健康支援にあたった。避難者の方と一緒に部屋掃除をしたり、昼食時の介助、洗濯物を干す方のお手伝い、体操への参加の呼びかけ、トイレ介助、散歩の同行のほか巻き爪に対する対応など、避難者を見守る形で健康支援を行った。



 

派遣者一覧

■協力機関等からの派遣者(8月6日 総社市) *職種別五十音順



・柿内 愛(かきうち あい)保健師/AMDA南海トラフ災害対応プラットフォーム協力自治体・黒潮町職員/40歳

・石堂 智行(いしどう ともゆき)調整員/AMDA緊急救援ネットワーク登録メンバー/48歳

・桑本 彩花(くわもと あやか)調整員/国際医療勉強会ILOHA /19歳



 

■協力機関等からの派遣者(8月6日 倉敷市真備町) *職種別五十音順



【真備公民館岡田分館】

・森田 良子(もりた りょうこ)看護師/AMDA南海トラフ災害対策プラットフォーム協力医療機関・旭川荘療育・医療センター/42歳

・米井 恒太(よねい こうた)調整員/国際医療勉強会ILOHA /22歳



【岡田小学校】

・奥村 成享(おくむら しげゆき)鍼灸師/朝日医療大学校鍼灸学科/41歳

・小林 大祐(こばやし だいすけ)鍼灸師/AMDA緊急救援ネットワーク登録メンバー/33歳(但し、午前中は総社)

・三浦 大貴(みうら ひろき)鍼灸師/関西医療大学/33歳

・龍神 孝慶(りゅうじん たかよし)鍼灸師/朝日医療大学校鍼灸学科/28歳

・山崎 克枝(やまさき かつえ)あんまマッサージ指圧師/48歳

・小野 菜々子(おの ななこ)調整員/岡山大学被災地支援団体おかやまバトン/20歳



【真備公民館薗分館】

・山河 城春(やまかわ しろはる)看護師/AMDA緊急救援ネットワーク登録メンバー/43歳



 

■本部からの派遣者(8月6日、派遣順)



・難波 妙(なんば たえ)調整員/AMDA本部職員/総社市在住/55歳

・橋本 千明(はしもと ちあき)看護師/AMDA本部職員/岡山市在住/38歳

・岩尾 智子(いわお ともこ)看護師(米国資格)・調整員/AMDA本部職員/岡山市在住/34歳

・神倉 裕太郎(かみくら ゆうたろう)調整員/AMDA本部職員/岡山市在住/26歳

・クリス バーフット 調整員/ AMDA本部職員/岡山市在住/26歳

・アルチャナ シュレスタ ジョシ 調整員/AMDA本部職員/倉敷市在住/42歳



*当プラットフォームは、AMDA、岡山県、香川県、高知県、徳島県の協力自治体、協力医療機関と企業などにご参加いただいて、南海トラフ災害が発災した際、協力して被災地支援を行っていく体制のこと。



 

【皆様からの募金を受け付けております】

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※PAYPAL・クレジットカードでの募金も受け付けています。

詳細はホームページをご覧ください。



なお、ご寄付指定いただいた緊急救援活動の寄付総額が、その活動の支出経費を超えた場合には、他の緊急救援活動に充当させていただくことがあります。ご了承をお願いいたします。



 

【お問い合わせ】AMDAボランティアセンター

〒700-0013 岡山市北区伊福町3-31-1 TEL:086-252-7700

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