AMDA速報23 西日本豪雨災害被災者緊急支援活動 – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

AMDA速報23 西日本豪雨災害被災者緊急支援活動

台風12号が西日本を通過する7月29日、倉敷市では午前11時30分に避難指示が、総社市では避難勧告が午前6時43分に発令された。総社市によると、この日台風による避難者は628人にのぼる。午前中、時折強い雨に見舞われた被災地でAMDAは今日も支援活動を継続している。

本日29日は、AMDA医師と調整員が総社市保健師と一緒に、総社市内の避難所を巡回し、台風の影響を心配する避難者に対する医療相談を行っている。加えて、サンワーク総社(総社市)、真備公民館薗分館(倉敷市真備町)、岡田小学校(倉敷市真備町)の3カ所の避難所で活動を行っている。今日は、28日の活動レポートと一緒に配信する。


7月29日の活動レポート


総社市内の避難所を巡回 避難者に対するAMDA医師による医療相談







AMDAは総社市との災害時連携協力協定および吉備医師会協力の下、AMDA医師2人、調整員1人が総社市保健師と一緒に総社市内にある避難所である昭和公民館、久代分館、西公民館など巡回中である。「咳がでる」と訴える方や処方されている薬の目的と作用について質問する方など、合計12人から医療相談を受け、必要に応じて病院受診を勧めたり、処方されている薬を服用するようアドバイスした。

今日は、引き続き巡回医療相談を行う。避難所では、台風の影響を危惧している避難者が多く、医療相談を受けた方からは「AMDAチームが来てくれて、嬉しい。ゆっくり相談できた。安心した。」と話した。

看護師による見守り対応 真備公民館薗分館(倉敷市真備町)


薗分館には、近隣の施設から避難された高齢者9人が生活している。AMDAは看護師1人を派遣し、施設職員と一緒に避難者のトイレ介助や見守りを中心とした活動をしている。今日は、AMDA看護師2人も加わり、台風の影響で外出が難しく、室内で過ごしていた避難者に軽い運動とレクリエーションを行った。参加者はとても明るい表情で風船を使ったゲームやタオルを使ったストレッチで身体を動かし、楽しんでいた。施設職員からは、「レクリエーションをしてもらうのは、とても助かる。」という声をいただいた。


7月28日の活動レポート


倉敷市立岡田小学校避難所 AMDA災害鍼灸チームからのレポート








28日は13人に鍼灸治療を実施。そのうち30,40歳代が半数以上。自宅の片づけや、台風対策などのためからだの痛みや疲れで受診される方が多かった。また高齢者の方は精神的な疲れからくるストレス、不眠、夜間尿、便秘などが増えてきている。発災から3週間が経過し、避難者の中にも、被災状況、生活状況や将来について違いが顕著化しており、それが心身に影響して体調に表れていると感じられた。特に、不眠、疲れ、便秘が多くなっている。また、慣れない避難所生活で、交感神経の緊張により、体がむくんでいる方も多い。そのほかにも、会話の中で、内科的不調を持っている方も多いことに気が付いた。

被災者の中には、治療を受けてみたいと思いながら、恥ずかしがったり、「もっと体調の悪い方に…」と遠慮される方も多い。今後はスタッフの積極的な声掛けも重要である。ほとんどの方が来訪された時とは違う、良い笑顔で帰っていかれ、一度利用された方は再診を希望される方がほとんど。鍼灸治療自体の効果だけでなく、鍼灸師やスタッフらとのコミュニケーションも、被災者の方の笑顔を引き出すことにつながっていると感じている。
 

倉敷市立岡田小学校避難所 足浴の実施・岡山県立大学 学生ボランティアからのレポート








28日は、9人の足浴を実施。そのうち、ボランティアとして参加した岡山県立大学の学生2人が、ほかのスタッフとともに7人を担当した。足浴は二次的な対処法だと思われがちだが、心が傷ついてストレスを抱えた人々にとっては、効果的な一次的対処法であると実感している。特に、無表情だったり、無口だった被災者の方が、足浴を受けた後に、緊張がほぐれてよく話をされるようになったり、鍼灸治療を受ける気持ちが出てきたりと、メンタル面での効果が顕著にみられる。足浴のリラックス効果だけでなく、対応するスタッフらとのコミュニケーションも含めて、足浴の実施は非常に効果的。それに加え、気軽に体験しやすいこともあり、鍼治療などとの連携も期待できる。今後も多くの方に利用していただけるよう周知していきたい。


勤労者総合福祉センター・サンワーク総社 保健師による健康支援と災害鍼灸チームの活動

28日も保健師1人と調整員1人が、自治体の保健師らと連携して、18世帯38人が生活しているサンワーク総社の避難所で(28日時点)、避難者の医療・健康支援活動にあたった。日中は自宅の片づけや、仕事などのため外出されている方も多い。

必要な方がデイサービスなど受けられるよう、介護認定申請を勧めた。そのほかにも病院受診が必要な方へのサポート、台風に向けて自宅避難されている方から相談連絡対応、心的不安を抱えている方の見守りものほか、便秘がちな方への下腹部マッサージなどを行い、のべ7人の方に対応した。また午前中にはAMDA災害鍼灸チームが岡田小学校避難所から往診し、1人が鍼灸治療を行った。


派遣者一覧


■協力機関等からの派遣者(7月28日、29日 総社市) *職種別五十音順

【西日本豪雨災害被災者支援活動】

・柿内 靖(かきうち せい)保健師/AMDA南海トラフ災害対応プラットフォーム協力自治体・黒潮町職員/43歳

・松村 幸子(まつむら ゆきこ)鍼灸師/ AMDA熊本鍼灸チーム/55歳(29日のみ)

・篠原 慎一(しのはら しんいち)調整員/地元ボランティア/41歳(28日のみ)

・山崎 真理(やまさき まり)調整員/地元ボランティア/56歳

他、調整員1名派遣



【台風12号対応】

・稲葉 圭佑(いなば けいすけ)医師/ AMDA緊急救援ネットワーク登録メンバー/30歳

・鈴記 好博(すずき よしひろ)医師/徳島大学・AMDA緊急救援ネットワーク登録メンバー/52歳

他、調整員1名派遣

 

■協力機関等からの派遣者(7月28日、29日 倉敷市真備町) *職種別五十音順

・武田 未央(たけだ みお)看護師/ AMDA ERネットワーク登録メンバー/44歳

・中川 桂子(なかがわ けいこ)看護師/地元ボランティア/45歳(29日のみ)

・山河 城春(やまかわ しろはる)看護師/AMDA緊急救援ネットワーク登録メンバー/43歳

・小林 大祐(こばやし だいすけ)鍼灸師/AMDA緊急救援ネットワーク登録メンバー/33歳(28日午前中・29日は総社市)

・田尻 尚美(たじり なおみ)鍼灸師/絶好調鍼灸整骨院/31歳(28日のみ)

・山口 大輔(やまぐち だいすけ)鍼灸師/朝日医療大学校鍼灸学科/45歳(28日のみ)

・山崎 克枝(やまさき かつえ)あんまマッサージ指圧師/48歳(28日のみ)

・石堂 智行(いしどう ともゆき)調整員/ AMDA緊急救援ネットワーク登録メンバー/48歳(28日のみ)

・篠原 隆史(しのはら たかし)調整員/AMDA南海トラフ災害対応プラットフォーム協力医療機関・さくら診療所/64歳(28日のみ)

・タキガワ マリーナ 調整員/岡山倉敷フィリピ―ノサークル/46歳(28日のみ)

・松永 健太郎(まつなが けんたろう)調整員/AMDA緊急救援ネットワーク登録メンバー/32歳

・賀川 進太郎(かがわ しんたろう)弁護士/賀川法律事務所/55歳(28日のみ)

・八木 和明(やぎ かずあき)弁護士/賀川法律事務所/39歳(28日のみ)

 

■本部からの派遣者(7月28日、29日、派遣順)

・難波 妙(なんば たえ)調整員/AMDA本部職員/総社市在住/55歳

・橋本 千明(はしもと ちあき)看護師/AMDA本部職員/岡山市在住/38歳

・岩尾 智子(いわお ともこ)看護師(米国資格)・調整員/AMDA本部職員/岡山市在住/34歳

・大西 彰(おおにし あきら)調整員/AMDA本部職員/岡山市在住/50歳

・クリス バーフット 調整員/ AMDA本部職員/岡山市在住/26歳

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【お問い合わせ】AMDAボランティアセンター

〒700-0013 岡山市北区伊福町3-31-1 TEL:086-252-7700

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