東日本国際奨学金受給者のインタビュー3人目の方をご紹介します。
平成24年2期生 小野寺香子さん
看護師として働いて8ヵ月となりました。小さい頃からの夢であった看護師としての仕事は、とてもやりがいを感じています。勤務先は、ICUの病棟です。患者さんの状態も刻一刻と変化していくため、命を身近に感じ、看護師として、医療のチームとしてしっかりと患者さんやご家族に向き合っていく毎日です。
東日本大震災をきっかけに、「人の役に立つ仕事をしたい」という、以前からの思いが強くなりました。自宅のある大島も被害も受けたこともあり、実家に帰るとはできず内陸の親せき宅へ避難していました。
数カ月後、高校の授業再開に合わせて進路の中で「役に立てる仕事はないか」と真剣に考えるようになり、看護師という仕事を具体的に考えるようになりました。そこで、高校の先生の紹介をうけ今回のAMDA奨学金への応募につながりました。その後、看護師を目指し大学に進学し勉強や地域のボランティア活動にも参加するなど、医療の現場に役立つ経験を積んできました。振り返るとあっという間の4年間でした。
新人看護師として責任と知識技術を高めようと、日々勉強です。呼吸器の管理や投薬、バイタルの変化に合わせた処置の方法などの専門的知識技術をさらに勉強し、先輩看護師に指導受けながら経験を積んでいます。患者さんの急変への対応、家族への寄り添う言葉がけや説明など、一つ一つ責任感を持って接していくよう心掛けています。
さらに今の職場は、災害など緊急の現場で役立つスキルも身に着けられる場所にいます。職場の先輩もDMATへ参加しており、その仕事についても聞くことができます。震災時には助けられた立場から、次は医療職として少しでも助ける側になれたらとも思います。気仙沼でも医療機関や、緊急用のドクターヘリなども整備されていると聞きます。将来は、そのような場所でも活躍できるように経験を積んでいきたいと思います。
日々、緊張感を持っている現場の中で、看護師として、やさしさと厳しさ(日常生活において必要な事をしっかり伝える)を持ち合わせられるようになりたいです。看護師は、命にかかわる尊い職業の一つだともいます。その誇りをもって、寄り添った看護をできればなと思います。自分の夢を後押ししてくれた今回の機会に感謝しています。ありがとうございました。