【ロヒンギャ難民緊急医療支援活動を報告】
AMDAは、ミャンマーからバングラデシュに逃れた「ロヒンギャ難民」の緊急医療支援活動の報告会を1月6日、岡山市北区伊福町の本部で開催。2017年12月11日から23日まで現地で診察に当たった米田哲医師=北九州在住=は「難民は不衛生な状況に置かれ今後、コレラやマラリアなどの大流行が予測される」と強い懸念を示しました。
米田医師は難民キャンプ内に開設した診療所で、AMDAバングラデシュ支部や日本バングラデシュ友好病院のスタッフと活動。10月22日の開設以降12月末までに1日平均120人、延べ7,398人を診察。患者の症状は風邪や肺炎、皮膚疾患、ストレスに伴う症状などが目立ち、全般に栄養状態が悪かったと指摘しています。
難民キャンプは、竹とビニールシートを使った簡素なテントが密集して電気はなく、公衆トイレは糞尿があふれる不衛生な状態となっています。
【AMDAは異例の長期支援を決定】
AMDAは、ロヒンギャ難民に異例の長期支援(1年間)を決めました。AMDAグループの菅波茂代表は1月17日から23日まで現地入りし、今後の適切な支援内容を探る予定で、2月、3月にも看護師を派遣する計画です。
8月より難民として逃れた人は、国連高等弁務官事務所(UNHCR)によると、12月26日現在で65万5千人と推定。今も多い時には1日約5千人が移動しているといわれており、AMDAは「災害弱者に適切なケアを行い、社会復帰できるよう支援を続けたい」としています。
【メモ】ロヒンギャ ミャンマー西部のラカイン州に暮らすイスラム系少数民族で、1990年代からミャンマー政府や仏教徒から迫害を受けているとされる。国籍がなく、教育などの公共サービスを受けることができず、識字率は低い。十分な食料もないままバングラデシュに逃れてきた人が多い。