AMDAピースクリニックは2009年にアーユルヴェーダクリニックとして開院。2014年からは地域のニーズに対応し、母子保健サービスを提供するクリニックとして再スタートを切りました。
現地看護師による家庭訪問と妊産婦健診
AMDAピースクリニックには現地看護師が常駐しています。その現地看護師とスタッフ2人で、ブッダガヤ内にある対象地域に住む妊産婦の家庭訪問を継続して行っています。
暑い日には40℃以上になる炎天下の中歩いて各家庭を訪問するのはかなり体力的に負担がかりますが、妊産婦との絆を深め、信頼関係を築くため定期的な家庭訪問は欠かせません。
その信頼関係があるからこそ、妊産婦や新生児の状態が変化すると看護師に連絡、相談があります。
家庭訪問の際には、妊産婦の健康相談、健康指導、新生児予防接種の接種状況の確認、妊産婦健診の日の案内と健診事前登録などを行います。
毎月2回行っている妊産婦健診は地元の産婦人科医師と臨床検査技師にご協力いただき、妊産婦20名から30名の妊産婦の妊産婦健診と必要な方には血液検査も行います。受診料は20ルピー(日本円で約40円)。健診後には医師が処方した薬を提供しています。9月8日に行った妊産婦健診の様子を動画でご覧ください。
http://www.youtube.com/embed/-0fjX5-Fm6E
妊産婦を対象とした健康教育と栄養プログラム
AMDAピースクリニックでは妊産婦を対象とした健康教室を開催し、授業に参加した妊産婦に対して、現地で安価に手に入る食材を使用した食事を提供する新たな取り組みを始めました。加えて、医師の処方のもと栄養補助食品の支給も試みています。
9月5日開催した健康教室では、「栄養価の高いモリンガ」についてAMDAピースクリニック看護師から参加した妊産婦17名に対して授業を行いました。国際連合食糧農業機関によるとモリンガはタンパク質、ビタミンA、B、Cやミネラルが豊富に含まれており、特に妊産婦や子どもたちに推奨されています。そして、ブッダガヤでは季節によってモリンガの葉、実、茎など年中野菜として使用でき、安価に手に入ります。授業の後は、実際にモリンガの葉と野菜が入ったスープを作り、パン、ザクロ、リンゴと一緒にAMDAピースクリニックで提供しました。健康教室に参加した妊婦に今日学んだことについて尋ねたところ、妊婦や母乳育児をしている母親たちにとってとても大切なビタミンやミネラルなどの栄養素が多く含まれている、と講義で学んだことを正確に答えていました。
一度口頭で伝えただけでは定着しずらい知識も、継続的に伝え続けることで妊産婦の健康に関する知識も定着していきます。今後も活動を継続し、妊産婦はもちろんのことコミュニティ―全体における健康に対する知識の定着と向上を目指して、AMDAは今後も支援していきます。