AMDAハイチ支部による毎年恒例の無料歯科検診が同国中部の都市Fond-des-Negresで行われました。会場となったのは、救世軍が運営する病院Bethel Clinicです。検診はハイチ支部長で歯科医のフレデリック医師を中心とした9名のチームが担当し、2月10日から二日間の日程で行われました。このプロジェクトは2010年より同病院とAMDAハイチが共同で行っているもので、日本のAMDA本部が支援しています。
検診を受けた患者の数は初日が22名、二日目が47名の計69名です。検診には、地元はもとより、Aquin、Marseillan、Vieux Bourg d’ Aquin、Lacolline、Virgile、Didier、Lindor、Riviere Seche、Pont Roche、Saint Michel、Cardiacなどからも希望者が集まりました。フレデリック医師とその他5名の歯学生が無料で歯の検査を行い、口腔ケアや歯の修復、抜歯、症状に合わせた薬の処方を行ったほか、検診前には全ての患者に対し、血圧測定など必要なスクリーニングを行いました。
フレデリック医師は、検診を始めるにあたり、2010年から行われている同プログラムの趣旨を説明しました。AMDAはハイチ国内において、これまで2010年の大地震やコレラ発生の際の緊急救援、復興支援スポーツ親善交流事業、義肢支援などを行っています。歯学生達は口腔衛生の重要性について強調し、患者達に対し、半年毎に歯科検診を受けることの意義について説きました。
地方から今回の検診に訪れた人々はAMDAに謝意を表しました。地方では全ての歯科的な症状の唯一の治療が抜歯であると信じられており、それ以外の治療法や選択肢があることすら知られていません。Fond-des-Negresからやってきたセネシャルル・ルネーさん(37歳)は喜びの表情を浮かべ、このサービスが継続されることを心から願いました。またMarseillan出身のキャサマジョール・ディロールさん(19歳)は、Fond-des-Negresに歯科医院が常設されることを切望しています。同じく今回検診を受けた多くの人々が謝意を伝え、プロジェクトは成功裏に終わりました。