ネパールでの緊急医療支援  ラマチャンドラ・カマト先生からの報告書 – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

ネパールでの緊急医療支援  ラマチャンドラ・カマト先生からの報告書

ネパールで発生した地震とそれに続く余震は、被災者だけでなくネパール政府にとっても救護や支援の点においてネパールに大きな負担となっていた。この不測の事態を支援すべく、日本やインド、カンボジア、フィリピン、バングラデシュといった多くの国のAMDA医療チームが現地へ急いだ。

AMDAネパール支部は被害が大きかった4つの地域での支援を行う計画を立てていた。私はそのうちの一つであるヌワコット地域のカビラッシュ村で、地域健康センターと協力して支援を行った。医療活動の中でよく見られた身体的な症状は、外傷、発熱、呼吸器系の感染症、ぜんそく、下痢、皮膚疾患、消化器疾患であった。これらの原因は不十分な衛生管理と貧しい環境状態のためと考える。また精神的なものとして、被災者の大多数は繰り返される余震によって恐怖や不安を覚え、将来への希望を無くしていた。支援活動を行うにあたって様々な障害にぶつかった。例えばネパールは山岳地帯であることから雨や寒い気候が体力を消耗させた。また地震によってできた地滑りなどにより、道路を通行しての移動は困難を極めた。しかし、多くの障害を乗り越えることができ、緊急医療支援もタイムリーに行うことができたため、広範囲に及び被災者の苦痛や病気の軽減させることができたと考える。

ネパールでの支援活動を通して提案が2つある。1つ目はカウンセリングサービスの設置である。自然災害が発生した後、すぐに被災者の精神的苦痛やトラウマを軽減させることができるようにカウンセリングサービスを設置するべきと考える。

2つ目は建物の耐震を強化することである。カビラッシュ村ではおよそ90%の家屋が損壊していた。家屋は石や泥、屋根を取り付けるためのスレート(粘板岩)を使用して建てられている。そのため家の大多数が家屋の上方(屋根)と壁に入る亀裂によって損壊していた。そこでRCCと呼ばれるセメントコンクリートを使用することを勧める。RCCを使用した建物は村の家屋に代わる安全な建物になると考える。

最後に、絶え間ないサポートと指導をしてくださったAMDA日本代表の菅波先生と先生のチーム、AMDAインド会長のカマト先生、マニパル大学副長官のビノドバット先生、AMDAネパールの皆さんに感謝を送る。