フィリピン30号台風 被災者に対する復興支援活動 AMDA速報16 – AMDA(アムダ)
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フィリピン30号台風 被災者に対する復興支援活動 AMDA速報16

台風30号がフィリピンを襲った2013年11月8日から1年が経過した。AMDAでは現在も、フィリピンの地元団体と協力しながら被災地の復興支援活動を継続している。また11月6日からは、看護師1名を日本からレイテ島タクロバン市に派遣。慰霊祭への参加と復興支援活動を実施した。

慰霊祭キャンドルナイトへの参加

以下に、派遣者からの活動レポートを抜粋して紹介する。
 

【被災地の現状と復興支援活動報告】

災害発生から1年。タクロバン市中心部は町の活気が戻りつつあるように見えた。瓦礫が片付けられた通りには多くの人や車が行き交い、屋台が立ち並び、町の人々の顔には笑顔が戻っている。新しい建物の建築や壊れた建物を修繕している様子もあちらこちらで見られた。海岸線沿いに住んでいた人は、仮設住宅に移る人もいれば、海岸線に家を建て直す人もいる。現地情報によると、仮設住宅は現在建築中のものもあるが、まだ不足しており、修理の必要な公共施設や学校なども多く残されている。

クリスマス支援物資の配布

台風による被害が最も大きかったレイテ島タクロバン市には、表面的には、笑顔があふれているように見えるが、そこに住む人たちには台風30号にまつわる様々なストーリーがある。水に浮かぶ冷蔵庫に入って助かった子供たち、木に必死にしがみついて生き残った男性、旦那さんが水に飲まれていくのを目の前でみた老女、新しく設置したばかりのキャビネットにしがみついて2階につながる階段までたどり着いて助かった男性、遺体が道端を埋め尽くす中、支援物資が届くタクロバン空港まで歩いた人々。今回実施した以下のような復興支援活動を通して、笑顔の奥にある真実を聞くことができた。

<1>食料支援事業

2014年11月8日。災害発生からちょうど1年。町はクリスマス色にそまり、町の人もクリスマス気分である。AMDAでは、現地協力者と相談してクリスマスまで2ヶ月を切ったこの時期に台風30号復興支援としてクリスマス食糧パック(スパゲティー、トマトソース、チーズ、コーンビーフ、ジュースの素)の配布を行った。実施した場所は、23名が犠牲になった109世帯からなるタクロバン市PHHC地区。

レイテ医師会館再建くわ入れ式

地区のスタッフたちの協力のもと各家を回り、少し早いクリスマスギフトを手渡した。「うれしい。ありがとう。」との声が多く聞かれた。また、配布先では台風30号を生き延びた人たちの壮絶な体験も多く聞かれた。「大変でしたね。調子はどうですか?」とAMDAのスタッフの声掛けに、夫を亡くした老女は、言葉はなく、ただ涙ぐんでいた。
 

<2>レイテ医師会館再建事業

11月9日には、レイテ医師会会館の再建前の「くわ入れ式」が行われた。台風被害で倒壊したレイテ医師会館を地域のヘスルプロモーションの拠点として、さらに災害時における支援拠点という意味を込めて、日本医師会、福山市医師会、AMDAとの合同復興支援事業として、再建を行う。台風によって壊れたレイテ医師会会館ではこれまでに医療従事者の臨床における継続教育、住民への健康教育、無料診療、医師会会合やレクリエーションイベントなどが行われてきた。

現地のニーズと災害が多い地域であるということを踏まえて、レイテ医師会会館・緊急支援拠点の再建に協力することを決定した。場所は、タクロバン市ハリウッド。空港からサマール島につながる国道に面しており交通の便がとても良いロケーションである。再建予定地はちょうど国道の山側にあり、台風30号の高潮被害もなかったところだ。建設完了は2015年3月から4月ごろを予定しており、台風が直撃する前に行っていたレイテ医師会の活動を新しい建物で再開する予定である。
 

なお、AMDAの活動が以下の海外メディアに掲載されました。

11月10日付 フィリピン地元メディア ABS CBNニュース 記事はこちら
11月12日付 ジャパンタイムスのWEB記事 記事はこちら

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