10月29日にスリランカ中南部で発生した大規模な土砂崩れの被災者に対し、AMDAでは2日にAMDAスタッフを被災地に派遣した。この土砂崩れは、モンスーンによる大雨が続いた影響によるもので、スリランカの最大都市であるコロンボ(Colombo)から東に約200kmに位置するバドゥラ郡(Badulla)で甚大な被害が報告されている。
2日にスリランカに到着したAMDAヴィーラバァーグ調整員は、3日、AMDAスリランカ支部と地元NGOサルボダヤ(Sarvodaya)、バドゥラ郡歯科健康保健局の協力者・クロス医師とともに情報収集を行い、支援活動について検討を重ねた。
4日には早朝にコロンボを出発し、正午頃、被災地バドゥラにある避難所となっているプーナガラタミル学校へ到着。避難所には1050人が身を寄せていた。さらに、そのうちの400人が土砂により自宅を失ったという。避難所は2つに仕切られており、自宅を失った被災者と別棟に、降り続く雨による二次被害を避けるため、多くの住民が自主的に避難所に避難していた。実際、AMDAチームが避難所に到着するまでの道路では、新たに土砂崩れが発生しそうな場所が多くみられた。またこの避難所の近くにも300人ほどが避難する避難所が設置されていた。いずれの避難所も、部外者は立ち入れないよう制限されていたが、AMDAは現地協力者のもとニーズ調査を行うことができた。
被災地では現在も軍や警察によって人命救助が続けられており、避難所での食料、衣類、医薬品など生活物品の供給は既に満たされていたが、乳幼児の離乳食や育児に必要な乳児用の食器などは不足している状況であった。そこでAMDAではクロス医師と協同で100人分の離乳食と食器を準備し、提供することができた。
支援物資の購入 | 400人が暮らす避難所の外観 |
避難所の内部の様子 | 避難所の医療スペースの様子 |
また、避難所ではバドゥラ保健局医療部によって24時間対応で医療支援が実施されており、多くの患者で混雑していた。呼吸器疾患と外傷などが主な症状という。また、5日現在もなお救援活動として、救急車が現場と避難所を往復し、患者輸送を行っており、災害現場から避難所までは150kmあまり離れているため、患者の搬送には膨大な燃油費がかかる。そこで、AMDAでは地元NGOサルボダヤと協同で、患者の搬送にかかる救急車の燃料費を提供することとした。なお、サルボダヤは2013年4月に岡山でAMDAが開催したアジア相互扶助災害医療ネットワーク会議のネットワーク構成メンバーでもある。
ヴィーラバァーグ調整員は8日、活動を終えて帰国した。今後の支援活動については、地元の協力者からの情報収集を継続しつつ、状況を注視していく。
■派遣者 プロフィール
Nithiananthan Veeravagu (ニッティヤン・ヴィーラバァーグ)
AMDA緊急救援担当課長・AMDAインターナショナル事務局長
調整員/岡山市在住 46歳
■現地協力団体
AMDAスリランカ支部
サルボダヤ(Sarvodaya)
A.J.B.Croos医師 (バドゥラ歯科健康保健省:Department of Dental Health Services)
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