2013年11月8日にフィリピンで発生した台風30号の被災者に対する復興支援活動の一環として現地協力機関であるフィリピンレイテ島のレイテ医師会と合同で、定期的に無料巡回診療の実施を3月から実施しており、今回で5回目となった。
この度の巡回診療は、最も台風被害の大きかったタクロバン市東部の海岸沿いに位置するマガランズ地区(Magallanes)で行われた。台風により、何千人もの命が奪われた地区で、現在1710人が住んでいる。
住民には、漁師が多く、魚屋、大工、小さな店を営んでいる人もいるが、失業中の人も多数おり、女性は大半が主婦である。家は海岸から数メーターしか離れておらず、木で作られていたほとんどの家々が全壊したが、ほとんどの住民がもとあったところに再度家を建て暮らしている。
貧困ライン以下で生活する人々が多いこの地区での無料巡回診療活動は、とても歓迎され、朝8時から列を作って待つ人もいた。
レイテ医師会の医師13名、秘書3名、運転手1名と地元地区ヘルスワーカーで構成される医療チームによる無料巡回診療では、大人131名、小人191名を診察する事ができた。大人も小人も、風邪、咳の症状を訴える患者さんが非常に多かった。
歯ブラシを元々持っていなかったり、台風により紛失した子供たちも多くいたため、診療活動のほかにも、フェースタオルや歯ブラシが入った健康キットを子どもたちに提供した。また、栄養支援として、フルーツジュースとビスケットの入った栄養パックも提供した。
医療サービスを受けた患者からは、
「本当に感謝しています。ビタミン剤や降圧剤など日ごろ飲んでいる薬を買わなくて済みます。このようなプロジェクトが続くことを願っています。」
「薬の提供をしてもらえたおかげで、食べ物、交通費や学用品などその他に必要なものを購入する費用に回せるので助かります。」
と、感謝の言葉をかけられた。
今後も、AMDAとレイテ医師会合同で、支援活動を継続していく。