バングラデシュで発生したビル倒壊の被災者に対する支援活動として5月3日に、ダッカに到着した山崎看護師は、すべての活動を終了して、9日帰国の途についた。
5月7日には、NITOR 病院(National Institute of Traumatology andOrthopedic Rehabilitation)を訪問し、担当医師とともに患者一人一人に栄養補助食品として、116人に対して粉末麦芽飲料のセットを配布することができた。
配布物資の準備の様子 | NITORの医師と物資の配布 |
AMDA山崎看護師によると、NITOR 病院では、手術待ちの患者が多く入院しており、主な症状は、骨折、四肢切断、重度擦過傷による皮膚の壊死、四肢末端の壊死、切傷と整形外科分野が中心である。既に受傷から時間が経っており、傷口からの感染なども疑われた。また、貧血を伴うとみられる患者も多くいた。入院していた患者たちは、救出されるまでの時間、その間の恐怖、痛み、手術の予定、この事故で失った家族のことなどを、山崎看護師の手を取り、懸命に訴えていた。また、4日の活動で訪問したEnam病院から転院してきていた患者もおり、AMDAの医療チームを覚えていると嬉しそうに声をかけた患者もいた。
一人一人の患者の声に耳を傾ける ラザック事務局長とAMDA山﨑看護師 | 患者の手を取るAMDA山﨑看護師 |
また同日、夕方からダッカ病院(Dhaka Medical Hospital)で、入院中のビル倒壊被災者28人に対して栄養補助食品を手渡した。ダッカ病院に入院している患者は四肢外傷に加え、胸部・腹部外傷と思われるドレナージ(排液)中の患者や、IVH(中心静脈栄養法)管理の患者も見られた。中には、意識のない状態に陥っている患者も見られた。既に24日のビルの倒壊事故発生から2週間が経過しており、患者を看病する家族の様子も疲労してきている様子だった。
現在バングラデシュでは、来年1月に控えた選挙を前にして、連日の反政府組織と警察などの衝突が発生しており、負傷者も多く運び込まれている。そのため、訪問したいずれの病院でもビルの倒壊事故以外の外傷患者も多く、廊下や階段の踊り場にまで患者が収容されている状態であった。
なお、今回のビル崩壊の死者数は1088人でさらに増えると予想されている(The Muslim News 5月10日付)
■派遣者 プロフィール
山崎 希(やまざき のぞみ)
:AMDA国際部 プロジェクトオフィサー/看護師
サーダー アブドゥル ラザック(Sarder Abdur Razzak):
AMDAバングラデシュ支部 事務局長
※ラザック事務局長は4月12日から岡山県内で開催したアジア相互扶助
災害医療ネットワーク会議に 参加
■現地協力団体
AMDAバングラデシュ支部
日本バングラデシュ友好病院(Japan-Bangladesh Friendship Hospital)
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