AMDAは、追加支援として避難所に簡易トイレ設置を決定した。
AMDAではミャンマー中部のメティラ郡(メィティラ・Meiktila)で3月20日に発生した暴動の被災者に対する緊急支援活動として被災地の医療機関へ医薬品の提供を行い、状況を注視していたが、ミャンマースタッフによるニーズ調査を受け、避難所における簡易トイレの設置を追加支援として決定した。
現在、暴動は沈静化しつつあるものの、死亡者数43名、負傷者数61名、被害家屋1,594棟、被災者12,846名の被害が報告されている。未だ放火や破壊で家を失った10,834人が11ヶ所の避難所で暮らしており、復興と避難者の再定住には最低でも3か月を要するとされている(4月4日付ミャンマー政府発表)。
避難者への支援調整を行う「援助調整協議会」に参加したミャンマースタッフによると、現在、ミャンマー政府社会福祉救済復興省が中心となり、食料や生活支援物資の配布を行っている。また、メティラ県保健局による巡回診療なども行われている。このため食料や水、テントといった物資支援のニーズは徐々に満たされつつある。しかしながら、長引く避難所生活が予想され、多くの避難者が詰めかけていることから、現在ある11の避難所でトイレ数の不足が緊急の問題となっていることが分かった。
避難者への聞き取り調査 | 避難してきた母子 |
現在11カ所設けられている避難所におけるトイレ数は、いずれも設置基準(※)である20人に1基を大きく下回っており、例えばある避難所では493人の避難民に対し2基(246人に1基)しかトイレがない状況である。
そこでAMDAでは、トイレ設置の必要性が高い避難所において、簡易トイレの設置を決定し、現在着工準備・調整に取り掛かっている。トイレを設置し、安全なし尿処理を行うことは、感染症対策に効果的であるだけでなく、避難者(特に女性と子ども)の尊厳、安全のためにも欠くことのできない対応事項の1つである。
※人道援助を行う際の最低基準を定める「スフィア、人道憲章と人道対応に関する最低基準」による
■AMDAグループからの支援参加スタッフ
江橋 裕人(えばし ひろと)/AMDAミャンマー事務所/事業統括
鈴木 梓(すずき あずさ)/AMDAミャンマー事務所/業務調整員
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