タイ洪水被災者に対する緊急支援活動-4 – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

タイ洪水被災者に対する緊急支援活動-4

10月14日からタイで活動をおこなっているAMDA派遣者からの報告によると、バンコクは現在浸水の危機に面している。ダムを境に3~4m(約2,000,000,000立方メートル)の水に囲まれている。バンコク北部・ランシット(Rangsit)の南部まで水が来ており、現在、道路を水路にして排水を行っている。バンコク市民は、車を避難させ食料品の確保を行っている。今週末から来週にかけて浸水被害が広がると懸念されている。

Meeting of the admin team flood relif
operation center

AMDA派遣者らは、ドーンムアン空港の災害対策本部での対策会議(Meeting of the admin team flood relief operation center)に出席し、現地のニーズと災害状況を確認している。タイ救急医学会(Thai Association for Emergency Medicine : TAEM)の協力で支援活動を実施しているが、TAEMスタッフからは「AMDAが来てくれなかったら何をしたらいいかわからなかった。AMDAが今回の活動のきっかけをくれた。本当にAMDAのおかげで良い活動ができた。感謝している。」と感謝の言葉を頂いた。

10月17日に日本から輸送した250着のライフジャケットは外務省に寄贈した。10月15日から18日まで、バンコクにて緊急支援物資の調達を行い、ラチャヴィティ病院(Rajavithi Hospital)にて、各家庭に配布しやすいように仕分け作業を行った。



ライフジャケット寄贈



10月19日には、医師、看護師、調整員らで成るTAEMのメンバーら18人とAMDA派遣者3人の計21人がトラック6台に分乗し、物資とともにバンコクから240キロ北部にあるナコンサワン県(Nakhon sawan)へ移動した。通常であれば車で片道2時間程度の距離であるが、冠水した道路を迂回して移動したため、片道8時間かかって到着した。交通の便が悪いため、個々の村に支援が届いていなかった。ナコンサワン県ではチュムセーン郡(Chumsaent)ノンクラチャオ町第8村(Non Krajaovillage8)、ピクン町第3村(Pikun village3)を訪れ、それぞれの村長に住民用の物資を提供した。さらにチュムセーン郡の保健センターを訪れ、コイチャイ町第3村(Koeichai village3)、カマン町第5村(Khamang village5)の二つの村に物資が届くよう、贈呈を行った。


Nong Krajao village8にて

Nong Krajao village8にて

Nong Krajao village8へ物資寄贈

Nong Krajao village8浄水器の説明

Nong Krajao Phikun village3にて

Nong Krajao Phikun village3にて

Nong Krajao Phikun village3へ物資寄贈

Nong Krajao Phikun village3浄水器の説明

ChumsaentのHealth centerから配送

ChumsaentのHealth center

提供した物資は以下のようなもの
医薬品セット:1000セット
アルコールジェル、経口補液剤、ステロイド・ノンステロイド塗り薬、カットバンなど
排泄セット:約400家族分
感染症を防ぐため、排泄物を水に流さず、ナイロン袋の入れて処理できるよう数枚のナイロン袋を各家庭用に配布しやすいようセットしたもの
ロープ:約400家族分
救助する時に捕まって引っ張り上げるためのロープ
浄水器:25個
ポータブルトイレ:4個

ナコンサワンでは浸水の状況はピーク時よりは少なくなっているものの、2~3mの高さで冠水している場所もあった。避難所は3か所設置されているが、ほとんどの住民が家財道具を置いて避難できないとの理由から、浸水した自宅で生活をしている。感染症は出ていないが、水に浸かっている時間が長いため皮膚疾患が増えている。高血圧など慢性疾患の悪化を訴える患者も多数いる。体調不良を訴える患者は、浸水した自宅からボートで仮設診療所へ診察に訪れるという。
AMDAでは仮設診療所へ巡回診療用の薬や浄水器などを提供した。

■AMDAこれまでの派遣者
10/14 武田未央 保健師(看護師)、 大政朋子 調整員(AMDA職員)
10/18 古谷清久 医師

■AMDA今後の派遣予定
10/28 菅波茂 医師(AMDA代表) 他 現在調整中

■現地の協力者及び協力団体
バンコク総合病院(Bangkok General Hospital)
ラチャヴィティ病院(Rajavithi Hospital)
タイ救急医学会(Thai Association for Emergency Medicine : TAEM)

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