17号、19号と1週間のうちに立て続けに2つの台風に見舞われ、ことに3日のルソン島上陸後6日に再上陸という台風停滞下のフィリピンでは、洪水発生から1週間以上経過した後にも浸水状態が続いている地域や孤立する地域があるという深刻な事態になった。台風17号はルソン地方中部を横断し、ブラカン州、パンパンガ州が大洪水に陥った。ブラカン州カルンピット町では、洪水発生から1週間たった5日時点でも、腰の高さまでの浸水が続いていた。これまでに31の州に被害が発生し、103,852世帯・約49万人が被災、死者56人、行方不明28人を数える。
AMDAでは、緊急事態に対応するため3日に本部から調整員を派遣し、フィリピン国内での関係者との調整を行ってきた。その結果、軍の医療従事者らとチームを組んでの診療活動と、沿岸警備隊と共同で食糧や水などの緊急物資の配給を行うことを決定し、4日から以下のような活動を実施している。衛生状態の悪化、被災者の心身の健康状態の悪化が懸念されることから、さらなる支援活動を行うべく地元の関係者と調整を続けている。
■活動内容
・診療活動
6日、リザール州キサオ町で、フィリピン軍の内科・外科・歯科・眼科各医師、セラピスト、薬剤師等とともに60人のスタッフで医療活動を実施した。この日の患者数908人。
・食糧配給
4日、ブラカン州ハゴノイ町で、150袋のドライフードをフィリピン沿岸警備隊とともに配布。9日には2回目の配給をブラカン州カルンピットで実施する予定。
■本部からの派遣者
VEERAVAGU Nithian(ヴィーラヴァーグ ニッティアン) 調整員
■AMDAのこれまでのフィリピンでのおもな医療活動
2010年 台風16号被害に対する緊急支援活動
2007年 台風21号被害に対する緊急支援活動
2006年 レイテ島地滑り被害に対する緊急支援活動
1995年 台風被害に対する緊急支援活動
1991年 ピナツボ火山噴火被害に対する緊急支援活動
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