ニュージーランド地震 緊急医療支援活動報告 – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

ニュージーランド地震 緊急医療支援活動報告

2011年3月7日にニュージーランド地震に対する緊急医療支援活動報告記者会見を岡山県庁4F記者クラブにて行いました。

【1】AMDAの活動


診療の行われた大型仮設テント

オーストラリア医療スタッフとプニ医師(写真右)

 2月24日にクライストチャーチに向けて出発したAMDA医療チームは、クライストチャーチ市内で、(1)大型仮設テントでの診療活動(2)日本人安否不明留学生ご家族の付添い・ケア(3)貯水用ボトルの提供を行なった。

(1)大型仮設テントでの診療活動
プニ外科医は、2月28日から3月2日までの3日間、アラヌイ地区に設置された大型仮設テントでオーストラリアの医療チームと共に診療活動を行った。
全体で140人ほどの患者に対応し、うちプニ外科医は3日間で40人の患者を診療した。婦人科疾患、頭痛、身体の痛み、外傷・打撲などが多くみられた。


オーストラリア医療スタッフと
プニ医師(写真右)

オーストラリア医療スタッフとプニ医師
(写真右上より2番目)

 (2)邦人行方不明者の家族の付き添い
日本人派遣者3人は2月26日から3月3日まで日本人安否不明留学生ご家族の付き添いや、外務省とニュージーランド警察からのご家族への説明会への随行、体調不良の方への対応、ご家族の方のお話を聞くなど、24時間体制でご家族の心のケアを中心にサポートを行った。
AMDAチームの活動最終日には家族や関係者から感謝の言葉をいただいた。 

(3)貯水用ボトルの提供
岡山県から託された貯水用ボトル200個のうち160個をクライストチャーチ市のヌゲール・バトン副市長に贈呈した(3月2日)。
40個はクライストチャーチ市のアラヌイ地区・ホーンビー地区の教会に直接渡し(3月1日)、教会を通じて被災した25~30家族に配っていただくことにした。


給水ボトルを寄贈する派遣者たち

岡山県知事のメッセージを手渡す派遣者

【1-2】AMDAの活動の概要
 AMDAは、2月24日に岡山本部からヴィーラヴァーグ ニッティヤーナンタン調整員と石岡未和看護師をニュージーランドに向けて派遣した。途中経由地のオークランドで武田未央保健師と合流し、AMDA医療チームは2月25日からクライストチャーチでの医療支援活動を開始した。 2月27日にはサモア独立共和国からプニ エモシ外科医、2月28日には岡山大学の医学生でアジア医学生連絡協議会に所属する村上拓がクライストチャーチで合流し、それぞれの活動に専念した。
 3月3日に現地での活動を終えて、同日クライストチャーチを発ち、4日の朝に関西空港に到着した。


【1-3】AMDAの活動(今後の予定)
 
今後の予定としては、国際会議出席のため3月20日にAMDA代表菅波がニュージーランドに発つことになっている。その際にクライストチャーチを訪問し、復興支援のニーズを調査する。
 

【2】現地の被害状況
 2月22日午後12時51分(現地時間)ニュージーランド第三の都市クライストチャーチ南東10kmを震源とするマグニチュード6.3の地震が発生した。
 震源の深さは約5kmと浅く、多くの建物が倒壊した。地震直後はクライストチャーチ市内の80%で断水になり、飲料水の確保が急務とされていた。また、液状化による道路、橋梁への被害も大きかった。

 3月3日のニュージーランド政府発表によると、確認された死者数は161人、行方不明者は200人以上。政府は「行方不明者のほとんどが死者に含まれるだろう」と見解を示している。 


地震直後の街の様子

がれきで押しつぶされた車


【3】派遣者一覧
・ヴィーラヴァーグ ニッティヤーナンタン:
 調整員/AMDA本部職員/岡山市在住<派遣期間>2/24~3/4
・プニ エモシ:
 外科医/メドセン病院/院長/サモア独立国首都アピア在住<派遣期間>2/27~3/2
・石岡 未和(いしおか みわ):
 看護師/AMDA本部職員/岡山市在住<派遣期間>2/24~3/4
・武田 未央(たけだ みお):
 保健師/岡山県和気町出身 現在 オークランド市在住<派遣期間>2/25~3/3
・村上 拓(むらかみ たく):
 岡山大学医学部医学科3年/AMSAメンバー/岡山市在住<派遣期間>2/27~3/4 

今後の予定としては、国際会議出席のため3月20日にAMDA代表菅波がニュージーランドに発つことになっている。その際にクライストチャーチを訪問し、復興支援のニーズを調査する。