インド事業担当:アルチャナ ジョシ
AMDAピースクリニックの元スタッフのベーダーさんは南インド出身です。30代後半でご主人を亡くしたベーダーさんはインドで最も貧しい州として知られているビハール州ブッダガヤに移り住み、残りの人生は貧しい人々のために捧げたいと考えお年寄りの家を設立しました。アユールベーダのマッサージ師の資格を持っているベーダーさんは、ブッダガヤを訪れる国内外の観光客対象にマッサージを施術し、その売り上げの一部でお年寄りの家を運営していました。他の支援者からの協力もありましたが、コロナ禍で、都市封鎖や海外からの観光客の入国制限に従いマッサージに通う人がいなくなり、やむを得ずマッサージでの収入をあきらめることになりました。特に、2020年の3月から2022年の3月まではお年寄りの家の運営が厳しく、AMDA がピースクリニックの患者と共にお年寄りの家にも定期的に食糧支援をしていました。
11月に菅波理事長がブッダガヤに訪れた際にお年寄りの家を訪問しました。16人のお年寄りは青いトタン屋根とレンガでできた平屋の建物に住んでいます。仕切りのない大きいな部屋にベッドが並べられていていました。月に数回、生活に余裕のある方がお年寄りの家を訪れて食糧、衣服、薬などを配布することがありますが、定期的な支援はなく、月によっては食糧、栄養食材、薬などを購入するための資金不足で困っているとのことでした。
AMDAは、このお年寄りの家に1年分のお米とともに、牛1頭と子牛2頭、鶏20羽、アヒル5羽を支援しました。牛乳や卵はお年寄りに栄養食材として提供したうえで、残った牛乳や卵は市場で売って、その売り上げで必要なものや、お年寄りの治療費、葬式費用のために貯金をしていくことになりました。ベーダーさんは「牛、鶏、アヒルを買っていただきありがとうございます。動物の面倒は入居者の方々も見てくれていて、毎日が楽しくなったといわれています。今までは、牛乳や卵はたまにしか食べられてなかったのですが、これからは毎日食べられて、お年寄りの方々も元気になってきました。また、急に病気になったり、亡くなったりしたとき用の貯金もできて、安心しています。支援者の皆様に心より感謝したい」と話しました。