2020年6月12日、AMDAハイチ支部一行は首都ポルトープランス郊外にあるフランソワ孤児院を訪れました。現在AMDAハイチは、『こどもの家プロジェクト』と協力して、国内三ヶ所の孤児院に対し、食料支援などを行う共同事業を実施しています。今回の訪問では、AMDAハイチのスタッフが孤児院に暮らす子供達を対象に健康診断を行い、食料を寄付しました。
こどもの家プロジェクトは、2010年のハイチ地震を機に、10年間に渡ってハイチでの活動に携わってきたAMDAの登録調整員が立ち上げた団体です。現在ハイチ国内の孤児院に対する支援を中心に、政治・経済が難しい状況にある同国において、恵まれない人々に助けの手を差し伸べる活動を行っています。
現在、対象となっている三ヶ所の孤児院では、いずれも食料の調達に苦労しており、子供達の栄養を賄うのに十分な食べ物を確保できていません。このため、今回の健康診断の結果も総じて思わしくなく、子供達の栄養改善が喫緊の課題となっています。約二週間前に児童一名が著しく体調を崩したことがありましたが、幸いにして新型コロナウイルスとは無関係ではあったものの、慢性的な栄養不足が様々な健康上の問題を引き起こしている現実は否めません。
今回の訪問に先がけ、ハイチ支部のスタッフは支援物資の食料を調達。その後、孤児院に移動し、入居する児童全員の健康状態をチェックしました。また先頃より施設の中庭を利用して行われている家庭菜園プロジェクトの進捗状況を視察しました。
このプロジェクトは、「自分達で野菜を作れば食料の足しになるかもしれない」という児童のアイデアが発端となっています。現在、バナナやほうれん草、人参、玉ねぎなどの作物が栽培されており、ゆっくりと育っている様子が伺えました。
少しずつ改善されつつある環境に子供達も満足しているようで、ハイチ支部のメンバー達に対して、「今後はもっと頻繁に手伝いに来てほしい」という声が聞かれました。
◆今回の活動に参加したメンバー達:
- マック・ケヴン・フレデリック(歯科医、AMDAハイチ支部長)
- ジョシアン・アンドレ(看護師、AMDAハイチ)
- キャミ―・タイソン(AMDAハイチ)
- ジュスタン・ジュニア・ジョーゼフ(フランソワ孤児院ディレクター)