2020年 新春のご挨拶(2020/1発行ジャーナル冬号) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

2020年 新春のご挨拶(2020/1発行ジャーナル冬号)

AMDA理事長 菅波 茂

気候変動により災害が多発しています。従来の地震に加えて水による災害が特徴です。

2014年に「AMDA南海トラフ災害対応プラットフォーム」として巨大な津波による被害予想される徳島県と高知県と災害支援協定を結びました。以後、自治体、医療機関そして経済産業界の3者がAMDAと連携して、対応能力の向上に努めてきました。更に2019年7月には水災害に対応する「AMDA災害医療機動チーム」が発足しその機能充実に努めています。これまでに多くの方々にご支援をいただいています。ここにあらためて感謝申し上げます。
2017年11月、当時の横倉義武世界医師会長(日本医師会長)に世界医師会災害医療ネットワーク構想を提案し賛同を得て、国連・各国政府・世界医師会・NGO/NPO・大学・公益団体・企業の7者連携を中心に進めてきました。AMDAは2019年が設立35周年になりますが、過去に蓄えたすべてのHuman Networkをこの7者連携の構築に組み入れています。2020年5月頃には「世界災害医療プラットフォーム:アジア大洋州版」として発足する予定です。AMDAとしては、従来よりさらに大きな枠組みで、世界の災害被災者の支援にお役に立つことができると思います。嬉しく思っています。この機会をいただいた横倉会長には心から感謝しています。

日本政府の予想では、南海トラフで発生する巨大津波による損害は死者30万人以上、被災者3百万人以上、流通機能は30%に低下して2ケ月以上も続くとのことです。明確に言えることは、日本1カ国ではこの災害被災者救済には対応できない状況です。海外からの支援が不可欠です。海外からの支援を抜きに南海トラフ対策は考えられません。

「世界災害医療プラットフォーム:アジア大洋州版」は「AMDA南海トラフ災害対応プラットフォーム」とコインの裏表です。即ち、南海トラフによる地震や津波が発生した時にはこのプラットフォームに参加している団体が支援に駆けつけてくれます。2つのプラットフォームの理念は相互扶助です。困った時はお互いさまです。

「救える命があればどこまでも」をスローガンに本年も全力で頑張ります。皆様方のご理解とご支援をよろしくお願いします。