救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

ベネズエラ地震被災者緊急支援活動(2026/10発行ジャーナル秋号)

岩尾 智子

 2026年6月24日、相次ぐマグニチュード7.2と7.5の地震に襲われた南米ベネズエラでは、建物の崩壊により、多くの人々が住む場所を失いました。死者は6,300人を超えています。(9月18日、汎米保健機関『PAHO』発表)

 地震発生後、AMDAは同じく南米にあるペルー支部の協力の下、情報収集を開始し、6月30日に緊急支援活動の実施を決定しました。7月5日から8月15日まで、佐藤拓史理事長をはじめ、日本人医師2名、看護師2名のほか、ペルーからベネズエラ人医師3名、看護師1名を現地に派遣。被害の大きかったラ・グアイラ州において、現地団体『Cruz Azul USM』や地元医師らと協力し、医療を中心とした緊急支援活動を行いました。

 AMDAが最初に被災地に入ったのは、地震発生から約2週間後でしたが、現地では依然として粉塵が舞う過酷な状況の中、崩壊現場での救助活動やがれきの撤去が続いていました。実施した巡回診療では、活動にあたる救助隊の体調チェックを行ったほか、生存者が発見された場合に備え、作業現場で待機することもありました。

 一方、AMDAが医療支援活動を行った仮設診療所では、体調不良を訴える患者の診療に加え、必要に応じて超音波検査も実施しました。呼吸器疾患、高血圧症や糖尿病などの慢性疾患の悪化、さらに、がれきの撤去や救助活動中に負った外傷など、さまざまな症状に対応し、地域住民への継続的な医療提供の一端を担いました。

 また、「お腹の赤ちゃんの様子を確認したい」と診療に訪れた妊婦もおり、チームの看護師によれば、「震災による不安や精神的なストレスから足を運ぶ人もいるように思う。今回の活動は、人々の安心感にもつながっていると感じた」ということです。

 今回、一緒に活動した地元医師らが中心となり、『AMDAベネズエラクラブ』が発足しました。今後は同クラブと連携しながら、現地のニーズを踏まえ、必要な支援について検討していきます。