救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

ウクライナ人道支援活動:ハルキウで地元の医療を守る『ダイナスティメディカルセンター』からの報告(2026年4月~8月)

AMDAは2022年より、ウクライナ東部ハルキウにある医療機関『ダイナスティメディカルセンター』への支援を継続しています。同センターは経済的な理由から医療費の支払うことが難しい患者さんに無償で治療を提供しており、AMDAの支援により、医薬品や注射器、手袋をはじめとする医療資材を購入しています。9月5日、AMDAは同センターのディレクターであるオレーナ医師とオンラインミーティングを行い、病院の現状や戦時下で暮らす人々の様子について伺いました。

戦闘が続くハルキウでは、以前からドローン攻撃が繰り返されてきましたが、特にこの2か月(7月、8月)は攻撃が激しさを増し、その回数も以前より増えているといいます。それに伴い、『ダイナスティメディカルセンター』では、鼓膜穿孔、飛散物による顔面外傷など、爆撃による負傷者への対応が増えています。また、「自分たちの町に住み続けたい」という強い思いから、海外の避難先からハルキウに戻ってくる親子も増加しています。特にヨーロッパから帰国した子どもたちの中には、聴力低下や聴覚障害、副鼻腔炎など、十分な治療を受けられていない耳鼻科疾患を抱えるケースも多くみられます。同センターでは、爆撃による直接的な負傷への対応に加え、避難先からハルキウに戻ってきた人々への診療も引き続き行っています。

さらに、医薬品倉庫や物流関連施設が爆撃を受けたことにより、スーパーや薬局でも少しずつ影響が感じられるようになっています。一方、同センターでは常時約2週間分の医薬品を確保しているため、診療への支障は出ていません。現在は、厳しい冬を迎えるにあたり、暖房などに必要な電力を確保するための備えも進めています。以前から用意していた発電機や蓄電池に加え、新たに太陽光パネルも設置する予定であることも報告されました。

戦時下のハルキウで暮らす人々は、厳しい状況が続く中でも、「(この戦闘は)いつか終わる」という希望を持ちながら日々を過ごしています。大規模な空襲警報や、ハルキウを直接標的とする攻撃が確認された場合には、防空壕や避難施設へ移動しますが、それ以外の時間は、可能な範囲で普段の暮らしを続けています。夏には市内のプールや郊外の川へ出かける人もいます。子どもたちは、バレエやサッカー、水泳などの習い事に通うなど、日常生活を送り、コンサートや演劇といった文化活動も行われています。オレーナ医師は、爆撃のことだけを考えていると、防空壕の中にとどまり続けることになってしまうため、戦闘という厳しい現実の中にあっても、一時的にその現実から離れ、日常を取り戻す時間を持つことが精神的にも必要であると説明しました。

AMDAは9月以降も支援を続けていきます。