2017年度年次報告 平和構築 災害支援事業 緊急救援(2018/7発行) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

2017年度年次報告 平和構築 災害支援事業 緊急救援(2018/7発行)

ペルー洪水緊急医療支援活動


◇実施場所 ペルー・リマ郡、カンタ郡、ピウラ郡、モロポン郡、ピラウ市内合計6カ所
◇実施時期 2017年4月1日〜13日

◇派遣者
渡久地宏文/医師/AMDA沖縄メンバー、松永健太郎/調整員/AMDA本部職員
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成
AMDA本部、AMDA沖縄、AMDAペルー、Socios En Salud

◇受益者数 512人
◇受益者の声
「なかなか水が引かなかったので大変だった。医師に診てもらえてよかった。」

◇事業内容
海面水温上昇によるエルニーニョ現象で2017年に入りペルー各地で豪雨が頻発。洪水や土石流が発生するなど被害が続出した。ペルー国家緊急オペレーションセンターによると、現地時間4月5日現在で106人が死亡、15万7600人が被災した。

最も被害が大きかったペルー北部ピウラでは川が氾濫し、多くの世帯で水や食料が不足。首都リマでも5本の川が氾濫し、市内に水が流れ込む過去最大規模の洪水となった。

AMDA本部は2017年3月21日、AMDAペルー支部から支援要請を受け、医師と調整員の2人を派遣を決定。AMDA沖縄の渡久地医師はペルーで育ち、今回もペルーの内科医として、またスペイン語を話せる者として、ふるさとのために少しでも手伝うことがあれば手を差し伸べたいという気持ちで参加を希望した。

二次災害の懸念から被災地への立ち入りは制限されていたが、4月2日に渡久地医師と松永調整員の2人が現地入りし4月11日まで滞在。AMDAペルー支部と現地協力団体Socios En Saludとともに、6カ所で医療支援活動を実施、合計512人の被災者を診察した。なかでもピウラでは洪水で道が寸断され、途中バスを降り、ボートと徒歩で避難所まで向かい支援に入った。

 

スリランカごみ処分場堆積物崩落事故災害支援


◇実施場所 スリランカ・ミートタムッラ
◇実施時期 2017年4月16日〜22日

◇事業チーム構成
AMDAスリランカ支部、St. John Ambulanceコロンボ事務所、コロンボ東病院
◇受益者数 640人

◇事業内容
スリランカの正月に当たる2017年4月14日、首都コロンボ近郊のミートタムッラで、ごみ処分場の堆積物が崩落し、周辺住民1800人に被害が及んだ。

同国災害管理センターによると、30人が死亡、8人が行方不明となり、11人が負傷。228世帯980人が住む場所を追われ、安全な場所に避難。同センターをはじめ陸軍、海軍、空軍、警察が支援した。

AMDAスリランカ支部は、現地協力団体と合同で救援チームを派遣。診察活動のほか、医薬品や食料などを寄付した。コロンボ東病院から派遣された医師や看護師も被災者の救援に当たった。この活動で救援チームは640人の患者を診察、うち42人については病院へ搬送するなどの対応を行った。

 

釜石森林火災避難者緊急支援活動


◇実施場所 岩手県釜石市
◇実施時期 2017年5月9日〜11日

◇派遣者
元持幸子/調整員・理学療法士/NPO法人つどい事務局長、橋本千明/看護師/AMDA本部職員

◇受益者数: 12
◇受益者の声
「東日本大震災の経験があり、避難生活は何度もしている。避難して3日目で、誰かと一緒に体を動かす機会が欲しかった。」

◇事業内容
東日本大震災から6年2カ月が経った岩手県釜石市。5月8日に大規模な山林火災が発生し、AMDA本部は看護師を派遣。5月9日から3日間、避難所で不便な生活を強いられている住民らを温かく励ました。

現地で看護師とともに活動した元持調整員は、東日本大震災時にAMDAで4年ほど活動。その後、古里の大槌町で「NPO法人つどい」を設立し、地域のコミュニティー再生を目指している。

2人が訪れた避難所の一つである旧釜石商高体育館では、同じ体勢で長時間過ごす人が多いことから体操の時間をもつことを提案、高齢者と子ども計12人と一緒に体操を行った。

避難者の中には大震災で自宅を失い、昨年5月に再建したばかりの人もいた。山林火災による延焼を心配する人々に火災情報を細かく伝え、不安を取り除くよう努めた。

 

スリランカ南西部洪水緊急医療支援活動


◇実施場所 スリランカ・ラトナプラ県カラデナ村、パラドーラ村、カルタラ県パラデュワ村、クラゴダ村
◇実施期間 2017年6月6日〜12日

◇派遣者
ニッティヤン・ヴィーラヴァーグ/調整員/AMDAインターナショナル事務局長、菅原久美子/看護師/AMDA ERネットワーク登録メンバー
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成
AMDAスリランカ支部、St. John Ambulanceコロンボ事務所、Gamini Costa Foundation財団

◇受益者数: 支援物資配布 610人(学用品など)、100世帯(蚊帳) 診察活動 115人
◇受益者の声
「住民から握手をしながら『遠くからありがとう』の言葉を頂いた。」

◇事業内容
2017年5月末、スリランカを襲ったモンスーンによる大雨で、同国の南西部では洪水や地滑りによる被害が発生。スリランカ災害管理センターによると、6月8日現在で死者212人、行方不明78人、負傷者150人。2万棟以上が損壊し、約60万人の生活に支障が出る大惨事となった。

AMDAスリランカ支部は、現地協力団体であるSt. John Ambulanceなどと協力し、洪水が起きた翌日の5月26日から活動を開始。AMDA本部も調整員と看護師各1人を6日に派遣した。そのうち、派遣された菅原看護師は、自分の限られた能力の中でも出来る限りのことをして、少しでも被災者の助けになる活動をしたい、と今回の活動に参加した。

8日より3日間に渡り、合同チームは最も被害の大きかったラトナプラ県カルタラ県で診療をはじめ、通学用カバンや蚊帳を配布、医薬品の補充も行った。ある村では、洪水の際、村全体が浸水し、山に逃げた住民たちは水が引いた後、自宅に戻ってきたものの、自宅にあったものは水に浸かり使用できない状態であったとのことだった。市街地から離れている村だったこともあり、支援に入ったのはAMDAが初めてで、診療を受けた住民からは握手をしながら感謝の言葉をいただいた。

 

九州豪雨緊急支援活動


◇実施場所 福岡県朝倉市
◇実施期間 2017年7月6日〜9日

◇派遣者
三宅孝士/理学療法士・調整員/赤磐市職員(AMDAに出向中)、松永健太郎/調整員/AMDA本部職員
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成
AMDA・総社市・野口健(登山家、総社市環境観光大使)合同支援チーム

◇受益者数 なし(直接的な医療ニーズはなし)

◇事業内容
7月5日から福岡、大分県を襲った記録的な豪雨で、10日現在の被害は死者25人、行方不明や安否が分からない人が20人超で、1,885人が避難中。

支援チームは二手に分かれ、被害が最も大きかった避難所を巡って聞き取り調査を実施。暑さ対策として扇風機を設置し、段ボールベッドを設けた。避難者の70代男性は「自宅が床上浸水し、立ったまま夜を過ごした」と疲れ切った様子。

AMDAチームは、避難所での健康相談等のニーズ調査も実施した。結果、被災地の医療機関は機能しており、保健師も各避難所に2人ずつ派遣が決定されていることから、直接的な医療ニーズはないと判断。今後の現地の状況を注視していくことにした。

 

フィリピン・レイテ島地震医療支援活動


◇実施場所 フィリピン・レイテ島カナンガ町
◇実施時期 2017年7月26日〜28日

◇派遣者
大山マージョリー/調整員/岡山倉敷フィリピーノサークル代表、岩本智子/看護師(米国資格)・調整員 /AMDA本部職員
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成
レイテ医師会、ロマルデス医療大学

◇受益者 233人
◇受益者の声
「テント生活で疲れがたまっていた。無料での診察に感謝している。」

◇事業内容
2017年7月6日午後4時ごろ(現地時間)、フィリピン・レイテ島西部を震源とするマグニチュード6.5の地震が発生。レイテ島カナンガ町ヒロクトガン地区で59世帯197人が避難テント生活を続けており、医療ニーズがあるとの情報を受け、AMDAは7月28日に現地入り。レイテ医師会と合同で医療支援活動を行うことを決定した。

合同医療チームは、ロマルデス医療大学とともに233人(成人129人、小人104人)を診察。頭痛や皮膚のかゆみ、腰痛などの訴えに対し医薬品を提供した。同島では、家を失うなどの直接的な地震被害はなかったものの、地震の影響を受けた120世帯に対しては食糧物資を配布した。2013年の台風30号で家が壊れ、さらに今回の地震による地すべりで家を失った人は「食糧支援は週3回くらい教会による食糧支援がある。ここに避難している家庭は日雇い労働か農業に従事している。6世帯18人が一つのテント生活による疲れが溜まっている中、無料で医師による診察を受けられたことに感謝している」という喜びの声をいただいた。

 

フィリピン・ミンダナオ島難民支援活動


◇実施場所 フィリピン・ミンダナオ島イリガン市マヤ・クリスティーナ地区、アマイパクパク医療センターサテライトオフィス
◇実施時期 2017年7月29日〜8月3日

◇派遣者
大山マージョリー/調整員/岡山倉敷フィリピーノサークル代表、岩本智子/看護師(米国資格)・調整員 /AMDA本部職員
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成
フィリピン保健省、アマイパクパク医療センター

◇受益者 500人
◇受益者の声
「こうして私たちに会いに来てくれるだけでありがたい。その上、避難所に住む子どもたちに『お絵かきセット』をご支援いただき、ありがとう。子どもたちも興奮するほど喜んでいる。」

◇事業内容
2017年5月23日にフィリピン・ミンダナオ島マラウィ市で起きたフィリピン政府とIS(自称イスラム国)に忠誠を誓うマウテグループとの武力衝突により、フィリピン政府はミンダナオ全土において厳戒令を発令。フィリピン社会開発省によると359,680人の難民が発生した。(8月30日時点)

AMDAは武力衝突が始まった当初から現地協力者と連絡を取り合いながら状況を見守っていた中、7月末に難民支援の可能性について話し合うためフィリピンに調整員2人を派遣した。現地によると、マラウィ市の一部の建物は破壊され、避難所生活を送っている全体の約2割の人たちは長引く避難所生活により心身共に疲労し、生活環境も厳しい状況であると聞き、支援を決定。8月2日にミンダナオ島に入り、イリガン市にあるアマイパクパク医療センター(APMC)のサテライトオフィスに医薬品を渡した。さらに221世帯1,802人が避難するイリガン市マヤ・クリスティーナ地区Barangay Maya Christina)の避難所を訪問、避難所の子どもたち91人に「お絵かきセット」を配布した。他の避難所の子どもたちにも配布する409セットを、保健省地方オフィス担当者に手渡した。

 

ネパール南部洪水緊急医療支援活動


◇実施場所 ネパール・ジャパ郡、スンサリ郡、ナワルパラシ郡
◇実施時期 2017年8月18日〜23日

◇現地での参加者を含めた事業チーム結成
AMDAネパール支部、AMDAダマック病院、AMDAメチ病院、AMDAシッダールタ母と子の病院

◇受益者数 3,187人
◇受益者の声
「都市部から距離が離れているにも関わらず駆けつけてくれたAMDAネパールの医療チームに感謝している。被災後初めて駆けつけてくれた医療チームだ。」

◇事業内容
8月11日より降り続いた大雨により、ネパール南部地域(タライ平野)で発生した洪水、地滑りは多くの人的・物的被害をもたらした。8月20日時点で、死者143人、行方不明者30人、負傷者43人、44,683世帯が避難生活を送っている。

AMDAネパールは政府の指示のもと、被災自治体や地方保健所と連絡。AMDAダマック病院とAMDAメチ病院は10〜15人の合同医療チームを結成し、19〜23日、避難所や村の診療所の計5カ所で巡回診療をした。

また、首都カトマンズから南西へ車で約6時間かかるナワルパラシ郡も被害を受け、18日から5日間にわたり、AMDAシッダールタ母と子の病院から医療チームを派遣し、巡回診療を行った。

 

バングラデシュ北部洪水緊急医療支援活動


◇実施場所 バングラデシュ・クリグラム地区、ガイバンダ地区
◇実施時期 2017年8月22日〜26日

◇現地での参加者を含めた事業チーム構成
AMDAバングラデシュ支部、日本バングラデシュ友好病院、Society for Anti Addiction Movement(SAAM)

◇受益者 18,000人

◇事業内容
8月半ばからの大雨により北部で洪水が発生、21日時点で死者114人、約700万人が被災した。

AMDAバングラデシュ支部は、日本バングラデシュ友好病院と現地団体Society for Anti Addiction Movement(SAAM)という地元団体との合同で、8月22日から26日まで、被害が大きいクリグラム地区、ガイバンダ地区に医療チーム(医師、調整員等15人)を派遣し、緊急支援活動を実施。

食糧や水、生活用品などの支援物資の配布や医師2人による診療を、2地区で3,480世帯、約1万8千人に行った。

 

インド・ビハール州北部洪水支援活動


◇実施場所 インド・ビハール州・サマスティプール市
◇実施時期 2017年8月27日〜9月1日

◇派遣者
岩本智子/看護師(米国資格)・調整員/AMDA本部職員、ニッティヤン・ヴィーラヴァーグ/調整員/AMDAインターナショナル事務局長
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成
AMDA、ガヤ大学、元AMDAピースクリニック現地職員

◇受益者数 300世帯
◇受益者の声
「AMDAとガヤ大学はこの村に民間で初めて入った団体で、いただいた支援物資は大変助かる。家族が多いので支援物資の食料はいただいた量では少ないが、経済的な不安がある中での支援は本当にありがたい。」

◇事業内容
2017年夏、南アジアでモンスーンによる洪水が発生し、インド・ビハール州でも甚大な被害が発生した。同州危機管理部の発表によると、9月3日時点で死者514人、避難者は今季モンスーン時期に入り累計85万4千人にのぼった。

AMDAは従来より同州南部ブッダガヤにある「AMDAピースクリニック」にて妊産婦健診等を実施しており、職員2人が8月27、28日に各々現地入り。出発前の8月中旬より水害被害の情報を収集し、現地到着直後協力者との協議を進め、ガヤ大学及び現地協力者との支援活動の実施を決定した。

9月1日にビハール州北部サマースティプール市ガンガバンド地区の3つの村に住む計300世帯を対象に、食料品と日用品のセットを配布した。

 

メキシコ沖地震緊急支援活動


◇実施場所 メキシコ・オアハカ州フチタン
◇実施期間 2017年9月11日〜18日

◇派遣者
鈴記好博/医師/徳島大学大学院総合診療医学分野・AMDA ER ネットワーク登録メンバー、山希/看護師・調整員/AMDA職員
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成
AMDA、天理教メキシコ出張所、現地コーディネーター

◇受益者数 80人

◇事業内容
日本時間9月8日午後2時前、メキシコ南部チアパス州沖を震源とするマグニチュード8.2の地震が発生。翌日AMDAは医師と看護師の2人の派遣を決定した。日本時間12日に派遣チームはメキシコ入り、現地協力団体である天理教メキシコ出張所と現地コーディネーターの協力を得て、14日には最も被害の大きかった地域の一つであるオアハカ州フチタンに入った。

現地では市庁舎や学校、病院、市場など市民の生活の要となる建物が一部損壊や半壊の被害を受け、街の中心部では建物の倒壊も見られた。また、余震が続く恐怖から、昼夜を問わず屋外や路上で過ごす人もおり、治安の悪化も相まって夜間は特に緊張状態が続いた。

AMDA医療チームは現地青年会の食糧支援に同行し、経済的に苦しい状況で暮らす家族の多い地域5カ所で2日間に渡り無料巡回診療を実施、80人を診察した。緊急を要する重症患者はいなかったが、「地震の後から食欲がなくなった」「特に体調は悪くはないが、地震が怖いので受診した」などのストレスと考えられるケースもあった。

巡回診療のほか、現地協力者が実施している食糧支援を援助するために地元にて食糧を調達し、協力者に提供した。

この地震によるメキシコ全土での死者数は15日現在98人、被災者の数は80万人以上にのぼった。

 

メキシコ中部地震緊急支援活動


◇実施場所 メキシコ・オアハカ州フチタン
◇実施期間 2017年9月22日〜29日

◇派遣者
山希/看護師・調整員/AMDA職員
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成
AMDA、天理教メキシコ出張所

◇受益者数 50世帯
◇受益者の声
「物資支援が入ったのは初めてでうれしい。首都のメキシコシティに支援が集中し、遠い地方のフチタンまで支援がくることは期待していなかった。私たちを忘れないでいてくれてありがとう。」

◇事業内容
日本時間9月20日午前3時ごろ、メキシコ中部を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生、死者数が355人を記録した(29日時点)。看護師1人はメキシコ沖地震緊急支援活動に続き、22日メキシコに向かった。メキシコ到着後、再び天理教メキシコ出張所にご協力をいただき、翌日以降、被害の大きい首都のメキシコシティやモレロス州に向かいニーズ調査を行ったが、既に食料品や生活物資も充足し、診療活動も実施されていた。

一方、今月中旬にメキシコ沖地震緊急支援活動を実施した同国南東部オアハカ州フチタンは首都から1,000キロ離れた貧困地域であり、23日朝に同州を震源とするマグニチュード6.1の地震によりフチタンへの主要な橋が崩落、物流停止し物資の不足が懸念されることからチームは25日フチタンへ移動し、生活物資を50世帯に手渡した。また、避難所を訪ね、AMDA看護師は血圧測定や血糖測定、生活指導を実施した。

 

フィリピン台風26号緊急支援活動


◇実施場所 フィリピン・ビリラン島
◇実施期間 2017年12月19日〜24日

◇派遣者
山希/看護師・調整員/AMDA職員、三宅孝士/理学療法士・調整員/赤磐市役所(AMDAに出向中)、大山マージョリー/調整員/岡山倉敷フィリピーノサークル代表
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成
AMDA、フィリピン大統領府、フィリピン海軍予備役、ナバル州立大学

◇受益者 691世帯

◇事業内容
クリスマス前の12月16日午後(現地時間)に台風26号がフィリピン中部サマール島に上陸した。土砂崩れや洪水被害などが発生し、フィリピン政府によると、死者数は47人、負傷者数78人、行方不明者数44人、約186万人が被災した(12月30日時点)。また、約42万人が一時期避難生活を余儀なくされた。

AMDAは現地協力者の要請により19日に看護師1人、続いて22日に調整員2人を現地に向け派遣した。現地にてフィリピン中部ビリラン島が特に甚大な被害を受けているとの情報をうけ、フィリピン海軍予備役司令部の協力により予備役のスタッフと配布する食料物資を準備。23日、24日とビリラン島の691世帯に配布した。橋が崩壊していたり、自宅が全半壊する被害を受けた人もいる中、支援物資を受け取った人たちからは「メリークリスマス!支援物資をありがとう!」と感謝の言葉をいただいた。

 

フィリピン台風27号緊急支援活動


◇実施場所 フィリピン・ミンダナオ島
◇実施期間 2017年12月25日〜30日

◇派遣者
山崎希/看護師・調整員/AMDA職員、三宅孝士/理学療法士・調整員/赤磐市(AMDAに出向中)、大山マージョリー/調整員/岡山倉敷フィリピーノサークル代表
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成
AMDA、フィリピン大統領府、フィリピン陸軍、フィリピン国家災害対策本部、カガヤンデオロ社会福祉開発省、地元組織KP-CDO(Kilusang Pagbago)

◇受益者 820世帯

◇事業内容
台風26号に続き、12月22日に台風27号がフィリピン南部ミンダナオ島に上陸し、大雨の影響でカガヤンデオロ川が氾濫、下流にある都市カガヤンデオロが甚大な被害を受けた。25日時点で37,424世帯182,377人が避難していた。

AMDAは台風26号緊急支援活動のため、既に同国ビリラン島に入っていた3名をカガヤンデオロに派遣することを決定。25日に大統領府官房長官上級秘書であり海軍予備役であるメルカド氏と協議のうえ、27日カガヤンデオロ入りしたAMDAチームはフィリピン陸軍と合流。翌日あまり支援が入っていない市内10カ所の避難所に避難する家族に食料物資を配布した。

*備考:2017年11月27日、フィリピンのマラカニアン宮殿にてフィリピン大統領府とAMDAは、フィリピン、日本、または他国における災害時の支援等を始めとする協力協定を締結。今回のフィリピンにおける台風26号、27号緊急支援活動もこの協力協定のもと実施した。

 

福井雪害緊急支援活動


◇実施場所 福井県勝山市
◇実施時期 2018年2月8日〜9日

◇派遣者
大西彰/調整員/AMDA本部職員
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成
AMDA、総社市職員

◇受益者 0人 (医療ニーズなし)

◇事業内容
北陸地方は、降り続いた大雪の影響で、2月7日時点で140センチを超える積雪を観測、昭和56年以来の雪害に見舞われた。大雪のため流通が停止し、福井県勝山市では除雪車用の軽油不足が懸念される状況に、同市長は総社市長に軽油供給支援を要請。それを受け、翌日、総社市職員と一緒にAMDAは調整員一人を派遣した。

当日朝、軽油を積んだタンクローリー1台と乗用車1台が総社市を出発。通常であれば5時間強でたどり着くが、この日は約8時間で勝山市役所に到着し、市長を訪問した。市長より、「この大雪で、雪かきを終えても次の日には同じぐらい積もってしまう。除雪車を10台所有しているが除雪が間に合わないことと、市内のガソリンスタンドでも軽油・灯油がなくなりつつあったため、昨夜の除雪は中止し今回の軽油が到着するのを待っていた」との説明を受けた。その後、除雪車20台相応の軽油をガソリンスタンドに提供した。

尚、AMDA職員は同市でけが人が出ていないこと、医療ニーズはないことを確認した。

 

フィリピン・マヨン山噴火被災者医療支援活動


◇実施場所 フィリピン・アルバイ州
◇実施時期 2018年2月8日〜12日

◇派遣者
西アニー/調整員/岡山倉敷フィリピーノサークル副代表
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成
AMDA、AMDAフィリピン支部、ビコール大学、アルバイ州医師会、フィリピン国家災害対策本部管轄の保健所、AMSA(アジア医学生協議会)、AMSA Alumni(アジア医学生連絡協議会卒業生部会)

◇受益者 266世帯1,071人
◇受益者の声
「AMDAの医療チームが来て活動してくれて嬉しい。」

◇事業内容
フィリピン・ルソン島南部アルバイ州にあるマヨン山が1月13日以降、活発な火山活動を繰り広げており、8万8490人が被災、53カ所の避難所1万5095世帯、5万6555名が生活している(フィリピン国家災害対策本部発表)。

AMDAは2月8日、現地に調整員を派遣した。9日未明AMDAフィリピン支部と合流後、翌日活動地となる避難所となった高校に入った。今回の活動には、AMDA及びAMDAフィリピン支部のほか、AMSAやAMSA Alumni、地元にあるビコール大学医学性、現地ボランティア等、計100人近くが参加。医師・看護師・薬剤師などで構成される医療チームが避難所にいる266世帯1,071名を対象に巡回診療を実施、長引く避難生活で病気にかからないための予防教育も行った。さらに、避難所では清潔な水を得ることが困難である等の状況をふまえ、食糧と、バケツや石鹸等の物資配布もあわせて実施した。