2017年度年次報告 平和構築 難民支援事業 復興支援(2018/7発行) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

2017年度年次報告 平和構築 難民支援事業 復興支援(2018/7発行)

ネパール・ブータン難民医療支援活動


◇実施場所 ネパール・ジャパ郡、モラン郡内難民キャンプ及びAMDAダマック病院(2017年度)
◇実施日 1992年〜継続中

◇現地での参加者を含めた事業チーム構成
AMDAネパール支部

◇受益者数 延べ約8,000人 (2017年度)

◇事業内容
AMDAネパール支部は1992年、ネパールへ流入してきたブータン難民に対する医療支援事業をジャパ郡ダマック市で開始。1995年、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)より正式な委託事業として、AMDAが本格的に主導していくこととなり、30床の「AMDAダマック病院」はブータン難民及び地域住民への医療サービスの提供を開始した。

さらに、2001年よりAMDAネパール支部は、ブータン難民キャンプにおける一次保健医療を、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)から委託され、各キャンプに活動拠点を設置、最大約11万人の難民を対象にプライマリヘルスケアサービス(一次診療サービスのほか、妊婦健診、予防接種、栄養補助食料の供給等)を提供してきた。

現在は難民人口も当時の約1割に減少しているが、キャンプ内での活動は継続。キャンプ内の一次医療レベルで対応できない患者については、二次医療サービスを提供するAMDAダマック病院等へ搬送するなどの対応を行っている。

 

スリランカ平和構築プログラム


◇実施場所 スリランカ・マータレー
◇実施日 2017年8月5日〜7日

◇派遣者
菅波茂/AMDAグループ代表、ニッティヤン・ヴィーラヴァーグ/AMDAインターナショナル事務局長、竹谷和子/AMDAボランティアセンター事務局長、三宅孝士/赤磐市職員(AMDAに出向中)、山希/AMDA職員、橋本千明/AMDA本部職員
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成
AMDAスリランカ支部、St. John Ambulance、スリランカ・マータレーKauduepelella Sinhala Maha Vidyalayaeの中学生、キリノッチViveganantha Vidyalayamの中学生、トリンコマリーMutur Central College、St. Mary’s Collgeの中学生、それぞれの引率の先生、日本からAMDA中学高校生会メンバー4人、現地大学日本人留学生1人、元AMDA中学高校生メンバー1人

◇受益者数 76人
◇受益者の声
・「民族を超え、自分達とは違う世界に出会うことができ、いい機会をいただいた。とてもいいプログラム」
・「他の国の人達、いろいろな宗教の人々とコミュニケーション能力、文化の交流、言語などのスキルを伸ばすこともできる素晴らしいプログラムだと思う。平和につながるいい機会をもらえてありがたい。」
・「平和について色々な角度から考えることができた。」
・「人の温かさを感じ自分の心が癒されていくような研修だった。自分自身凄く成長できた。言葉が違っても平和を望む気持ちは同じ。手をつないでくれて現地の人の温かさを感じた。」

◇事業内容
2011年から始まった異なった宗教、民族の生徒たちが交流するスリランカの「平和構築プログラム」が8月5日から3日間行われた。

悲しい内戦の歴史を乗り越え、次世代の意識改革を目標としており、2013年からは現地の人々に加え、日本人からも高校生が参加。AMDAの理念である“多様性の共存”を学ぶプログラムとなっている。

2017年度の開催地は、スリランカの中部の山間部の町・マータレー。参加したのはマータレー、キリノッチ、トリンコマリーの3地域の生徒と、AMDA中学高校生会のメンバー。

スポーツ・アート・カルチャー交流では、学校も性別も宗教も言語も関係ない混合チームで競い合い、様々なアクティビティーに取り組んだ。2日目のキャンプファイヤーも夜が更けるまで盛り上がった。

別れの時は言葉を交わして抱き合い、瞳から涙があふれていた。生徒たちの顔は、過去に起こった悲劇は繰り返さない、宗教や民族、言葉が違っても仲良くできるという自信で、輝いていた。