ベネズエラの被災地に到着したとき、目の前に広がる光景に言葉を失い、しばらく立ち尽くすことしかできませんでした。
倒壊した建物は、もはや何階建てだったのかも分からないほど崩れ落ち、そのコンクリートの下には、今もなお家族がいるかもしれない。その場を離れることなく、ただ無事を信じて見つめ続ける人たちの姿がありました。
自然災害の前では、国も文化も違いはありません。
被害の大きかったラ・グアイラでは、ベネズエラ、ペルー、メキシコの医療者と現地ボランティアが一つのチームとなり、それぞれが自分にできる役割を精一杯果たしていました。その一員として、私も医療活動に携わりました。
今回の活動で最も印象に残っているのは、被災された方々の姿です。
活動中、私の食事はいつも地元の誰かが持ってきてくれました。そして、必ず「Gracias(ありがとう)」の一言を添えて。
本当に感謝を伝えたいのは、私の方でした。
大きな被害を受けながらも、目の前の人を気遣い、自然に手を差し伸べる。その姿勢は、ベネズエラという国の大きな魅力なのだと感じました。
帰国した今でも、現地で出会った多くの人たちの笑顔や言葉が、何度も思い浮かびます。
私からも、心から伝えたいと思います。
「Gracias(ありがとう)」

(2026年7月、ラ・グアイラ州)
そして、この活動を支えてくださった日本の皆さまにも、心より感謝申し上げます。皆さまからのご支援があったからこそ、私たちは現地で活動を続けることができました。
発災から1か月が過ぎましたが、復旧・復興にはまだ時間が必要です。現地では今もAMDAの後続隊が活動を続けています。
私自身も、またベネズエラに戻りたいという思いを抱きながら、現地で活動を続ける仲間たちのことを思っています。
AMDA理事長 佐藤拓史
