災害鍼灸チームの「第4回育成プログラム」(AMDA主催)が7月22、23日、岡山市北区の岡山国際交流センターで開かれ、全国から参加した鍼灸師ら約30人は有事の際の円滑な鍼灸活動の意義、ノウハウなどを学びました。
初日の22日は、菅波代表が「鍼灸の最大のポイントは治療を通し体にさわることで生まれる相互の信頼関係を構築すること。今後の活躍を期待している」とあいさつ。講師6人が講演しました。23日は「災害時における鍼灸支援活動の課題と解決」をテーマに、参加者も加わってディスカッションをしました。
講師の発言内容の要旨を紹介します。
今井賢治氏(AMDA派遣鍼灸師、帝京平成大教授)
避難所での鍼灸活動は、亜急性期(1、2週間から1カ月程度)から患者が増える。腰や肩の痛みなどの治療をはじめストレスの軽減、リラクゼーション効果があることがデータで判明している。
AMDA熊本鍼灸チーム(吉井治、松村幸子、山下千春の各氏)
熊本地震の避難所・広安小学校(熊本県益城町)で活動。鍼灸は心の健康維持に尽力できる素晴らしい仕事だとあらためて感じた。患者とともに苦しみ、感情を分かち合う気持ちを大切にしたい。
佐々木賀奈子氏(AMDA大槌健康サポートセンター長)
東日本大震災で津波にのみ込まれ、奇跡的に助かった。生かされたこそ何かをしなければ…と懸命に生きてきた。患者の目線で考えることが災害鍼灸の原点だと思う。
高橋徳氏(AMDA派遣医師、クリニック徳院長)
鍼灸と西洋医学の双方の視点を大切にする「統合医療」は、米国の病院では専門科が出来ているが、日本にはない。医師はもっと患者の自然治癒力を信頼し、信頼関係の構築に努める必要がある。