2015年度年次報告 人材育成・研修事業(2016/7発行) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

2015年度年次報告 人材育成・研修事業(2016/7発行)

第5期 おかやま国際塾 ベトナム研修


ベトナムで研修をする「おかやま国際塾」5期生ら

◇実施場所 (国内研修) 岡山市、(国外研修) ベトナム ホーチミン市内、バリア=ブンタウ省内
◇実施期間 2015年6月7日〜11月18日

◇派遣者(参加者) 岡山大学法学部学生2名、工学部学生1名 (引率者)岩本智子/看護師(米国資格)/AMDA職員
◇現地事業チーム構成 ホーチミン師範大学学生、バリア=ブンタウ大学学生

◇事業内容
「おかやま国際塾」とは、岡山県内在住の大学を対象としたグローバル人財育成プログラム。研修の企画、立案、実施のすべてに関わる機会をAMDAから提供することにより、国際貢献への理解を深め、企画や管理能力を身につけ、社会のグローバル化に対応できる人材を養成することを目的としている。AMDAと岡山大学教員のメンバーで構成される「おかやま国際塾」実行委員会で運営されており、今年で5年目を迎えた。

2015年はおかやま国際塾5期生3人のメンバーが決定し、6月から事前研修を開始。研修内容は、現地の大学生とともに塾生が主体性を持って研修内容を決めた。8月18〜25日、研修先のベトナムに渡航し、前半はバリア=ブンタウ大学の学生と後半はホーチミン師範大学の学生と“戦争と平和”について話し合うなど、交流を通じてお互いの理解を深めた。

現地研修後の報告会では同塾5期生が今回の経験を基に、グローバル社会で活躍するために必要と考える意義を4点(計画、マナー、ハプニング、異文化理解)にまとめ、各自の意見を交えながら発表した。

質疑応答でも学生らは積極的に発言。今年も参加した学生の目覚ましい成長を感じさせられる報告会となった。

◇現地協力機関 ホーチミン師範大学、バリア=ブンタウ大学

 

ルワンダ医師招へい学校保健研修(岡山県国際貢献ローカル・トゥ・ローカル技術移転事業助成)


岡山医療センターでの研修

◇実施場所(研修訪問先) 岡山大学、岡山県教育委員会保健体育課、岡山市保健所、岡山県済生会、ノートルダム清心女子大学附属小学校、総社市保健福祉部、総社市教育委員会、岡山市教育委員会保健体育会、国立病院機構岡山医療センター
◇実施期間 8月16日から10月19目

◇研修員 カリオペ シンバ アキンティジェ(ルワンダ 医師)
◇現地事業チーム構成 ミビリジ病院、ルワンダの教育を考える会

◇事業内容
1994年ルワンダ国内で民族紛争が勃発、750万人の人口の50万人が虐殺される事態となり、死体が山積みになった画像が世界に広がった。生き延びた人々の多くが、ザイールをはじめとする近隣国に難民となり流れ込んだ。

AMDAは、まだルワンダ北部で一部戦闘が続く時期の5月に同国に医師と調整員を派遣し情報収集と巡回診療を行った。そして直後に、岡山カトリック教会/カリタス岡山とともに「ルワンダ難民救援グループ」を結成し、ザイールに大量に逃れたルワンダ難民の複数のキャンプとルワンダ国内避難民キャンプで、AMDA多国籍医師団による緊急医療支援活動を開始した。

翌年1月までに、日本、ネパール、バングラデシュ、フィリピンから医師、看護師、検査技師、調整員計46人を派遣した。この活動時の医療チームの現地通訳が既に日本留学経験があり日本語のできられるカンベンカ・マリールイズさんである。

2010年代になり福島在住のマリールイズさんとの交流が蘇り、ルワンダの学校保健システムづくりを協力することとなり、8月16日から10月19日の約2ヵ月間、ルワンダより保健省認可病院・ミビリジ郡病院長を招へいし、岡山県内各所で研修を実施するに至った。

この研修は、ルワンダ国内の児童と幼児の健康状態の改善や、健康保持増進を大きな目的としている。具体的な取り組みとしては、教育現場での健康診断を継続的、定期的に行うことが必要不可欠と言える。ルワンダの病院長が日本での研修を通じて、包括的な学校保健の取り組みがルワンダ国内で取り入れられるよう、自国の政府に働きかけることも目的の1つとなっている。

最初の1ヵ月間で日本語研修を終え、9月14日からは岡山大大学院環境生命科学研究科を中心に、児童や幼児健診の見学などを行った。帰国後は他のNPOとも連携をとりながら、ルワンダ国内に日本の学校保健制度や健康診断をどのように取り入れていくか、具体的な計画を立案している。