医療支援活動中のAMDA岩本看護師
10月18日にフィリピン・ルソン島東部のオーロラ(Aurora)州に上陸した台風24号は、上陸から3日間ルソン島上空に停滞。その影響を受け同島中部から北部にかけて広い範囲で水害が発生しました。台風被害が深刻なパンガシナン州出身のAMDA協力者からの支援要請を受け、AMDAは21日に緊急支援を行うことを決定し、23日にはAMDA本部から看護師1名が被災地に向けて出発しました。
同日マニラに到着したAMDA看護師は、現協力者と合流し、被災地の1つであるパンガシナン(Pangasinan)州に移動しました。パンガシナン州は、マニラから北に約200km。台風24号により農村地帯が広く浸水したため、収穫直前だった農作物は甚大な被害を受けました。
翌24日には、地元警察所属の医師3名、地元看護師2名、マッサージ師や自治体職員などの協力の下、パンガシナン州リンガイェン(Lingayen)町ワワ(WAWA)地区とアプラヤ(Aplaya)地区の2箇所で医療支援活動と食糧支援活動を行いました。
ワワ地区では約3時間で220名(うち34名が5歳以下の)を診察することができました。アプラヤ地区でも約3時間で240名(うち38名が5歳以下)のを診察することができました。両地区ともに、年齢に関わらず上気道感染症と診断される人が多く、慢性疾患である高血圧症の人も多く見られました。
さらには両地区で食糧支援も行い、チキン粥の炊き出しに加え、計1,000世帯に対し米2キロと魚やソーセージの缶詰1個を配布しました。今後は、被災地の状況をみながら、フォローアップ活動を計画していきます。
収穫前の水没した田んぼ
チキン粥にうれしそうな表情を見せる親子
フィリピン国家災害対策本部によると、この台風24号による死者は48名、負傷者83名、行方不明者4名。約73万世帯、300万人以上が被災しました(11月3日時点)。