AMDAネパール地震復興支援 −ネパール地震から半年−(2015/12発行) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

AMDAネパール地震復興支援 −ネパール地震から半年−(2015/12発行)

今年4月25日にネパール中部を直撃したマグニチュード7.8の大地震は、各地に大きな被害をもたらし、震災後半年以上が過ぎても被災地ではまだまだ復興の目途が立っていません。村全体が全壊してしまった地域では、寒い冬を前に、テント暮らしを余儀なくされています。さらに9月20日に新憲法が公布されて以降、インドからの物資がストップし、国民はさらに生活への不安を抱えながら暮らしています。現在AMDAでは、復興支援活動を実施しています。緊急救援活動中に直面した問題から特に必要と思われる支援について、AMDAネパール支部が中心となり、現地のパートナー団体とともに継続して様々な取り組みを行っています。

ネパール医師会・日本医師会・AMDA合同心理カウンセリングボランティア養成プログラム


カウンセリングボランティア養成プログラムの受講者

大災害を経験した被災者の中には、精神的なダメージを強く受け、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症。いまだに不安や恐怖、頭痛などを訴える方も多くいます。AMDAは、ネパール医師会、日本医師会と協力し、心理カウンセリングを行える人材を育てるためのプログラムを実施しています。

この養成講座は現在までに4回実施され、被災地のヘルスアシスタントや地方開発担当のスタッフなど140名程度が修了しました。ネパール政府から日本医師会・AMDAへ感謝の言葉が寄せられました。

トリブバン大学教育病院合同アウトリーチ訪問診療プログラム


チョータラの郡病院での診察

今回の地震では、特に山間部の集落に支援が行き届かない現状もありました。AMDAとトリブバン大学教育病院とは合同でアウトリーチクリニック(健康支援事業)プロジェクトとして、支援が届きにくい被災地を中心に同大学教育病院の医療チームを派遣し、無料巡回診療を実施しています。

1チーム1週間交代で、シンドゥパルチョク郡チョータラの郡病院を支援したり、医療にアクセスの難しい村々を訪れ、診療や衛生教育などを行っています。

障がい者支援プログラム


脊髄損傷リハビリテーションセンターで

地震の影響で負傷し、一命は取り留めたものの障がいを抱えることとなった人々も多くいます。しかし、医療機関やリハビリセンターでは、退院後の受け皿が不十分で、今後の生活もままならない状況に置かれています。そのような震災で障がい者になられた方達が少しでも自立していけるよう、AMDAは、ネパール政府などが主催となりカトマンズ大学などで開催した車いす製造技術研修会にAMDA理学療法士を派遣し、第1弾として、車いす5台分の製作を支援しました。